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イクメンは離婚を増やす?減らす?北欧で相反する調査結果

7/21(日) 16:05配信

SmartFLASH

 お父さんが育休を取ることで、育児負担が特に大きな生後間もない時期を、夫婦で協力して乗り越えることを期待するお母さんもいることでしょう。この経験が夫婦間の絆を深め、夫婦仲をより良くすると考えられますが、実際どのような影響を与えるのでしょうか。

 アイスランドの研究では、お父さんの育休取得が、その後の夫婦の離婚を減らすのかどうか検証しています。アイスランドは北欧の国で、やはり、お父さんの育休取得率が非常に高い国です。それでも、かつては育休を取るお父さんというのは極めて稀でした。

 そうした状況を変え、お父さんの育児参加を促すために、お父さんだけが取ることのできる1カ月の育休を2001年に導入し、2002年には2カ月に、2003年には3カ月へと少しずつ期間を延長していきました。育休中は、普段の給料の80%にあたる額を、給付金として受け取ることができます。

 この一連の改革で、お父さんの育休取得は大きく増えました。特に、育休取得日数に占める男女の割合という視点で見ると、この変化は大きなものだったようです。

 制度変更直前の2000年時点では、育休取得日数に占める男性の割合は3%に過ぎず、育休はお母さんが取るものと考えられていました。しかし、2001年の改革以降、この数字は上がり続け、2005年時点では、育休日数の3分の1は、お父さんが取ったものとなったのです。これは北欧諸国の中でも飛び抜けて高い数字です。

 この制度変更の効果を評価した研究者らは、制度変更直前に子どもが生まれた夫婦と、制度変更直後に子どもが生まれた夫婦の間で離婚率が異なるかどうか調べました。

 お父さんの育休取得が離婚率を下げるならば、育休改革後に子どもが生まれた夫婦の離婚率が下がっているはずです。

 日本と異なり、アイスランドでは法的な婚姻関係を結ぶ人は、子どもを持つ親の半数程度です。したがって、法的な婚姻関係にある夫婦のみならず、同居している事実婚の夫婦すべてを分析の対象としています。

 制度変更直前に子どもが生まれた夫婦は、出産5年後時点での離婚率が23%でした。一方、制度変更直後に子どもが生まれた夫婦は、出産5年後時点での離婚率が17%にとどまりました。

 出産10年後時点で見ても、育休改革により、離婚率が33%から29%に下がっています。この結果は、育休改革にともなうお父さんの育休取得が、夫婦関係の安定につながったことを示しています。

 心理学、社会学といった分野の研究では、子どもを持つことが、結婚に対する満足度を引き下げたり、離婚率を引き上げたりするのではないかといった指摘がなされてきました。

 子どもを持つことによって、夫婦だけで過ごす時間が減ってしまうこと、自分のために使える時間とお金が減ってしまうこと、そして妻は自分のキャリアが犠牲にされてしまうことなどが理由です。

 お父さんが育休を取ることにより、お母さんだけが育児に関わるのではなく、夫婦ともに関わることでこうした不満をやわらげ、夫婦関係を良いものにすることにつながったというのが、この論文の著者らの見解です。

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最終更新:7/21(日) 16:05
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