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参院選投票日 その前に知っておきたい池上彰『政界版 悪魔の辞典』10の言葉

7/21(日) 5:30配信

文春オンライン

 今日は参議院議員選挙の投票日。その前に、知っておきたいキーワードを池上彰さん『 政界版 悪魔の辞典 』(角川新書)から紹介します。

【写真】「国会議員の給料は2500万円」と発言した人は?



●あくむのようなみんしゅとうせいけん【悪夢のような民主党政権】
 自分たちにとって「悪夢」になったことを他人のせいにする安倍晋三首相流のレトリック。

【解説】
 2019年2月10日の自由民主党大会で、安倍首相(自民党総裁)は、2007年の参議院選挙での敗北に触れる中で、「悪夢のような民主党政権が誕生した。あの時代に戻すわけにはいかない」という内容の演説を行いました。

 この発言について、2月12日の衆議院予算委員会で、当時の民主党政権で外務大臣を務めた岡田克也氏が「頭から相手を否定して議論が成り立つのか」と発言の撤回を求め、「全否定したようなレッテル貼りはやめろと言っている」と非難しました。

 安倍首相は、「少なくともバラ色の民主党政権でなかったことは事実なんだろうな」と答え、発言撤回を拒否しました。

 さて、これは論理的なやりとりになっているのでしょうか。

「悪夢のような」と「少なくともバラ色ではなかった」はイコールではありません。「バラ色ではなかった」ということは、「とても素晴らしいとは言えない」という意味でしかなく、「悪夢のような」という強い否定にはなっていないからです。

 逆に言えば、「いまの自民党政権はバラ色です」と言っているに等しいのです。これは、なかなか傲慢ですね。

 ご自分の答弁が、論理的にはどんなことを意味するのか、論理の勉強をされたほうがいいのではないか。

 ただ、民主党政権が安倍首相をはじめとする自民党にとって「悪夢」であったことは事実でしょうね。政権を失って失意のどん底にいたのですから。

【公約】選挙前は多くの人に知ってほしい。選挙後は早く忘れてほしい

●えふひょう【F票】
 創価学会のフレンド(お友達)票。忘れていた同級生から電話が来る。

●かいひょうそくほう【開票速報】
 翌日になればわかることに必死になること。

●こうしょくせんきょほう【公職選挙法】
 まるで「選挙運動をするな」とばかりに制約の多い法律。いったい何人が守っていることやら。

●こうやく【公約】
選挙前は多くの人に知ってほしい。選挙後は早く忘れてほしい。

●さんぎいん【参議院】
 盲腸のようなもの。ふだんは何の役にも立たないが、状況が悪化すると実につらいことになる。

【解説】
 盲腸は、ふだんは何の役にも立ちませんが、盲腸炎つまり虫垂炎になると、七転八倒。大変苦しい思いをします。参議院も、ふだんはあまり存在感を示せませんが、与党が過半数を取れないと、内閣は困ってしまうのです。

 国会にある衆議院と参議院。法案は両方の院で賛成多数で決議しなければ成立しません。ですが、総理大臣の指名選挙や予算案など重要な案件で衆議院と参議院の判断が分かれた場合は、衆議院の判断が優越します。これを「衆議院の優越」といいます。

 しかし、参議院で与党が過半数ないと、赤字国債の発行に必要な「特例公債法案」の成立を可決できません。この法律が成立しないと赤字国債が発行できず、予算の執行に支障が出ます。かくて参議院の存在は無視できないのです。

 参議院の選挙は3年ごとに定数の半数ずつを改選しますが、衆議院はいつ解散・総選挙があるかわかりません。平均すると、衆議院のほうが直近の選挙で選ばれた議員である可能性が高いため、「世論をより代表している」として衆議院の優越が認められています。

 このため、「参議院などいらないではないか」という「参議院無用論」が唱えられることがあります。

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最終更新:7/21(日) 9:42
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