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「ピンの上ならミス、ピンの下ならナイスショット」──中部銀次郎

7/21(日) 6:05配信

幻冬舎plus

カップに向かって手前から攻め、逆戻りしないのが理想

銀次郎さんが残した名言は数多くあるが、グリーンを狙うショットに関するものでもっとも有名なのは、「グリーンの狙い場所は、あくまでもセンター」という言葉だろう。

これは、センター方向を狙うということではなく、「最終的にボールが止まる位置がセンターになるように狙う」ということだ。

その理由は、(1)ボールがグリーン中央にあれば、どこにピンが切ってあっても意外に遠くないから、(2)多少のミスがあってもグリーンに乗る確率が高いから、の2つだ。

グリーンを狙うショットでは、まずグリーンセンターへ運ぶことを考える。しかし、ピンが手前に切られているときなどは難しい下りのパットが残ってしまうので、もう少し考えなくてはならない。

銀次郎さんが言うには、カップに向かってすべて手前から攻め、一度も逆戻りしないでホールアウトすることが理想なのだそうだ。

「逆戻り」とは、グリーン・オーバーしたりピンをオーバーしたりして、グリーン側からフェアウェイ側に向かってストロークすることだ。行きすぎてから戻ってくるわけだから、これは無駄な動きということになる。

奥からのアプローチを残すと、ピンに向かって下り傾斜になるので止まりにくい。また、ライも荒れていることが多く、難度が高い。

ピンをオーバーしてグリーンに乗った場合も、サム・スニードが「私がゴルフで恐ろしいものは3つ。雷とベン・ホーガン、そして下りのスライスラインのパットだ」と言ったように、難しい下りのパットが残ってしまう。

奥からのアプローチやパットは神経を使うので、心が疲弊してしまう。なるべく波風を立てず淡々とプレーするには、ドキドキしながら打つようなことは避けたほうがいいだろう。

表題の言葉どおり、グリーン・オーバーはもちろん、ピンもオーバーさせないマネジメントは、安定したプレー、乱れないプレーには必須なのである。

しっかり振ってグリーン中央へ届くクラブを選択する

では、グリーンを狙うショットを打つとき、どのようなクラブ選択をすればよいのだろうか?

1938年のマスターズと1939年の全米プロで優勝したヘンリー・ピカードは、「私は、どのアイアンを使おうかと迷いを感じたときには、必ず大きいほうのクラブを選んで楽に打つことにした。そして、その結果が悪かったためしは、めったになかった」と言っている。

1967年の全米プロ優勝者ドン・ジャニュアリーも、「少し大きめのクラブで優しく打つ。それがゴルフのコツ」と同じようなことを言っている。二人とも、ゆったりとしたスウィンガータイプだった。

球聖ボビー・ジョーンズも、「私は常に適当と思われるよりも大きめのクラブをとって、ボールをやわらかく打つようにした。私は、アイアンを力いっぱい打たないことで成功したのだ」と言っている。

これらの名手が口をそろえて言っているからには、「大きめのクラブ選択」が有効なことは間違いないだろう。しかしこれは、ゆったりやさしく振ることができる、やや上級レベルのゴルファー向けの言葉なのではないか。

一般のアベレージゴルファーは、少し力を抜いて軽く打つ練習をあまりしていないのではないかと思う。そういうゴルファーが、急に軽くやさしく打とうと思っても、なかなかうまくいかないものだ。

「このクラブでは、ナイスショットすると飛びすぎるかもしれない」という不安がよぎったりすると、加減しすぎてゆるみが生じ、どダフリのボテボテ……というミスも多い。

また、軽く打ったらかえっていい当たりになって飛びすぎた……ということもよくあるのがアベレージゴルファー。これだとピンやグリーンをオーバーしてしまうので、表題のテーマからするとNGだ。

大きめのクラブで、少し距離を落とすように打つのは、普段から練習していないと意外に難しいものなのだ。

よってアベレージゴルファーは、マン振りはしないにしても、ある程度しっかり振ってナイスショットしたときにグリーン中央へ届くようなクラブを選択するのがいいと思う。

そうすれば、「当たりが薄かった」というようなミスショットのときにはグリーンにやっと乗るか、あるいはショートして乗らないかもしれない。それでも、ピンをオーバーするよりはずっといい。次のアプローチやパットでピンへ寄せやすいはずだ。

「ミスショットだとショートするかもしれないが、それは計算に入っている」と考えてショットすれば、落ち着いてスウィングできて、ナイスショットの確率も上がるだろう。

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最終更新:7/21(日) 6:05
幻冬舎plus

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