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ノストラダムスと日本沈没 2冊でパニックにおとしいれた編集者

7/21(日) 7:31配信

デイリー新潮

 7月が来ると思い出す人も多いのではないだろうか。
 今年もあの恐怖の大魔王は空から降ってこなかったなと。

〈1999年7月、空から恐怖の大王が降ってきて世界は破滅する〉

 そう、ご存じあの「ノストラダムスの大予言」の一節である。
 1973年秋に出版された『ノストラダムスの大予言』(五島勉、祥伝社刊)が紹介したのは、16世紀のフランスの医師・占星術師ノストラダムスが残した「予言集」。

 抽象的な言葉が並ぶ詩集のような「予言集」は、公害問題や第2次世界大戦まで言い当てている! というのが著者である五島氏の解説である。

 そして、この本の中でも肝になったのが、「恐怖の大王」の予言。これが日本人に与えたインパクトははかりしれない。多くの人が「自分は、あと26年しか生きられない」と感じたものだった。だが、1999年7月に大王は空から訪れなかった。あれから20年、いまだ世界は破滅していない。

 平成生まれの人たちの中には、そんな予言を信じるなんて、と思われる方もいるかもしれない。

 しかし、3年前の70年には大阪万博が開かれ、人類の未来は科学の進歩に支えられて薔薇色のものであると、当時の日本人は思いこんでいた。それが73年になると、オイルショックが起き、物価が高騰。50年代から続いていた高度経済成長も終わりをつげ、むしろ行き過ぎた成長の弊害として、光化学スモッグや河川汚染が問題になっていく。先行きが見えなくなった日本人の心情に、この人類絶滅の予言はぴたりと当てはまった。

 そして、もう1冊、73年に刊行され、大ヒットした書籍があった。『日本沈没』(小松左京、光文社刊)である。小説とはいえ、専門的な知識に裏付けられた描写、大地震から日本沈没、日本人が流民化するシミュレーションもまた日本人の不安感をあおった。

「時代の空気」を象徴したこの2冊に読者が殺到した。

『ノストラダムスの大予言』は累計210万部、その後シリーズ化され、シリーズ10冊で620万部を売り上げる。一方の『日本沈没』は累計380万部を超えるという大ベストセラーになっていく。

 書籍だけではない。この人気に目をつけた東宝がパニック映画として「日本沈没」(73年12月公開)、「ノストラダムスの大予言」(74年8月公開)を製作して大ヒットを飛ばしている。まさに社会現象となっていた。

 日本人の終末観に大きな影響を与えたと言われるこの2冊。出版社も筆者も別々だが、実は同じ編集者のものであることをどれだけの日本人が知っているだろうか。

 その人物とは、元祥伝社社長・伊賀弘三良氏である。

 版元が違う2冊の本をなぜ同じ人物が手掛けているのか。ノンフィクション作家の本橋信宏氏は、新著『ベストセラー伝説』で、その経緯を明かしている。以下、同著からまとめてみよう(以下、引用は同書より)。

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最終更新:8/1(木) 15:04
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