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映画「新聞記者」がヒットした背景 国民には理解しがたい制度を持つ“マスコミ不信”

7/21(日) 5:59配信

デイリー新潮

 映画『新聞記者』(藤井道人監督)がヒットしている。東京新聞・望月衣塑子記者(43)の同名著書を原案にした社会派サスペンスだ。主人公・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)は記者クラブ内の同調圧力に屈しない記者。望月記者も官邸記者クラブ内で波風が立つことを怖れずに活躍してきたから、2人を重ね合わせて拍手を送る人もいる。だが、そもそも記者クラブという制度自体が時代に合っていないのではないか? 

 映画『新聞記者』は国家の陰謀を描いている。吉岡エリカ記者ともう1人の主人公で内閣情報調査室官僚の杉原拓海(松坂桃李)が、国の情報操作に関わっていた官僚の自殺の真相に迫る。

 架空の人物・吉岡記者は記者クラブ制度に頼らない。実在する東京新聞の望月記者も官邸記者クラブ主催の会見で菅義偉官房長官とたびたび対立するなどクラブ内に波風を立てることを恐れていない。両記者とも現行の記者クラブ制度に否定的な存在だ。

 とはいえ、両記者とも記者クラブを壊そうとまではしていない。国民の知る権利を最優先に考えると、そろそろ記者クラブ制度の廃止を訴える声が内側から上がり始めてもいいのではないか。

 記者クラブ批判は古くからある。

「取材対象との癒着を招きやすいことなどの批判もある」(百科事典マイペディア 平凡社)。よく聞く記者クラブ批判だ。あながち的外れではないだろう。

 記者クラブの記者と取材対象の広報担当者は連日のように顔を合わせる。記者は広報担当者に取材をアレンジしてもらったり、資料をもらったりして記事を書く。世話になっている広報担当者をあまり困らせたくないという感情が記者側に生じても不思議ではない。

 あまたある記者クラブによって体質に違いはあるが、「クラブ記者を懐柔するのも仕事のうち」と言って憚らない広報担当者もいる。一方で、取材対象の組織内で不祥事が起きた際、どういう形で報じたらダメージが少ないかを広報担当者に助言するクラブ記者もいるという。どちらも知る権利を持つ側にマイナスなのは言うまでもない。

 国際的にも記者クラブの評判は極めて悪い。その理由の一つは、原則的に新聞社・テレビ局・通信社の記者しかクラブには入れないので、多様な情報、意見を伝達しにくくしているということだ。また、どの会見も原則的に記者クラブが開いているので、クラブ記者以外は参加できないか、制限がある。毎日2回行われている菅官房長官の会見の場合、ネットメディアやフリーランスなどの記者が参加できるのは週1回のみだ。

 テレビ局の停波に結び付く放送法4条の廃止を政府に勧告している国連デービッド・ケイ特別報告者も2017年6月の時点で記者クラブ制度への強い懸念を示し、こう声明した。

「記者クラブ制度があることにより、多くのジャーナリストが(情報を得るために政府機関の歓心を買おうとする)アクセス・ジャーナリズムに焦点を当ててしまう。クラブのメンバーであれば政府の省庁役人に対するアクセスを持つこともできるし、政府の説明にもアクセスを持つことができる。政府による物語、説明をジャーナリストが発表するということになるわけだ。ということは、ジャーナリストが厳しい調査報道をする能力に影響が出る。それは記者クラブ制度でアクセスを持つことができるから、どうしても力が弱くなってしまう。そしてまた独立した声を排除することになってしまう。大手のメディアにつながっていない声が外されてしまうということになる」(産経ニュース2017年6日2日配信より)

 日本新聞協会編集委員会は記者クラブについて、「公的機関などを継続的に取材するジャーナリストたちによって構成される『取材・報道のための自主的な組織』」との見解を2002年に発表した。

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最終更新:7/21(日) 5:59
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