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“獅子の時代”の扉を開いた伏兵のサヨナラ打(1983年11月5日、西武×巨人)/プロ野球1980年代の名勝負

7/22(月) 16:01配信

週刊ベースボールONLINE

プロ野球のテレビ中継が黄金期を迎えた1980年代。ブラウン管に映し出されていたのは、もちろんプロ野球の試合だった。お茶の間で、あるいは球場で、手に汗にぎって見守った名勝負の数々を再現する。

【画像】投手のキーマンとなった“左キラー”永射保

巨人を倒してこそ真の日本一

 NHK大河ドラマ『獅子の時代』が放映されたのが1980年。大河ドラマで初めて明治時代を中心に描いた画期的な作品だったが、このとき、プロ野球にも新たな“獅子の時代”が訪れようとは、誰が予想しただろうか。

 獅子、つまり西武ライオンズは、後期こそ優勝争いに絡んだものの、シーズン通算では4位。翌81年も前期は2位に浮上したが、後期は5位、シーズンでは2年連続5位と、とても時代を象徴するようなチームになるようには見えなかった。ところが、続く82年には日本ハムのプレーオフを制して、西武となって初優勝。日本シリーズでも中日を破り、日本一に輝く。当時、“球界の盟主”といえば巨人であり、V9時代ほどの圧倒的な強さは影をひそめ、戦力の顔ぶれも大きく変わったとはいえ、盟主の貫録は健在。そんな勢力図を脅かし始めたのが西武だった。

 西武には、巨人を倒してこそ真の日本一、という雰囲気があったことは確かだ。巨人と西武。90年代を経て21世紀に入っても、たびたび繰り広げられた日本シリーズだが、その初対決が83年だ。“球界の盟主”を懸けた頂上決戦らしく、一進一退の攻防が続いた。

 第1戦(西武)は西武がエースの江川卓を打ち込んで先勝。だが、第2戦(西武)は西本聖が西武を完封して早くも振り出しに戻す。第3戦(後楽園)は中畑清のサヨナラ打で巨人が2勝目。この試合後、重苦しいムードに包まれた西武ナインだったが、ミーティングで広岡達朗監督がマイクを持って「カラオケはないか」と言った(あるいは1曲だけ歌った)という話も伝わる。これで雰囲気をほぐすと、第7戦まで緻密にシミュレーションして、ナインの不安を取り除いたという。

 第4戦(後楽園)は立花義家の2ランで逆転した西武が松沼雅之、森繁和らの継投で逃げ切り。だが、第5戦(後楽園)は西本が完投、クルーズのサヨナラ3ランで巨人が王手。だが、これも広岡監督の想定内だった。そして迎えた第6戦(西武)は、西武が左腕の杉本正、巨人が槙原の先発で幕が開けた。

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最終更新:7/22(月) 16:55
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