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【インプレッション】常勝フラットトラックレーサーの魂を受け継ぐスポーツモデル FTR1200S Race Replica

7/22(月) 15:34配信

モーサイ

INDIAN MOTORCYCLE FTR1200S Race Replica

近年、クルーザーメーカーというイメージしかなかったインディアンから魅力的なロードスポーツが登場。
米国カリフォルニア州サンタモニカで行われた試乗会で、ベテラン和歌山利宏が感じたこととは!?

report●和歌山利宏 photo●INDIAN MOTORCYCLE/和歌山利宏

これは新世代の標準形か

1901年創立のインディアンは、53年に活動を停止。
その後、幾度もの再建劇を経ながら、ついに2011年、ポラリスグループの一部門として復活を果たしたアメリカ最古のバイクメーカーである。
かつてはモータースポーツでも鳴らした名門で、特に40年代から53年に幕を降ろすまで、伝統のフラットトラックレースで活躍。
そのことは今もアメリカ人の脳裏に深く刻まれている。

そんな歴史もあって、新生インディアンはワークスマシンFTR750を開発し、17年にレースシーンへカムバック。
そのシーズンに加え、2年目もチャンピオンに輝くという快進撃を見せてきた。
復活を確固たるものとし、人々にそのことを知らしめるためにも、レースへの復帰は大きな意味があったと言えよう。

そして、そのフィロソフィーが市販車へ展開されたのが、このFTR1200だ。
特にアメリカ人にとっては、米国のバイク史を彷彿させる注目すべきモデルでもあるのだ。

ただ、この市販版FTRはワークスFTRのレプリカではない。
挟角53度でコンパクトなワークスVツインエンジンではなく、スカウト用(挟角60度・1130cc)をベースとしている。

スカウトから排気量をさらに拡大し、クランクケースの形状や鋼管トレリスフレームへのマウント方式もストリートスポーツ方向へ大変更。
車体にはフラットトラッカーのフィロソフィーが注入され、FTRはビッグVツインスポーツとしての資質の中に、トラッカーらしい軽快性や運動性の恩恵を預かることができる車両に仕上がった。

トラックレーサー直系の足周りは、前後サスのストロークが150mmと大きく、前後ホイール径は19/18インチである。

そのため、車体は背が高くならざるを得なく、足着き性は決してよくはない。
しかし、燃料タンクがシート下に設置されたことで重心が低く、車体を足で支えていても妙に安定し、意外や不安がない。

また、全域でトルクフルなエンジンも、極低回転域からまろやかで粘りもあるから、ホッとさせられ、フレンドリーな印象さえ受ける。

120馬力を8250回転で発生するエンジンは、回してパワーで走るのではなく、トルクで走るという表現がぴったりくるもの。
やはり、これはストリート向きの特性だ。

車体は適度のしなり感がライダーに優しく、コーナリングでは、前後19/18インチという伝統的なバランスの良さを感じさせ、マシンが先走ることなく、狙い通りにラインをトレースし、攻めることができる。
「生まれはダートにして、狙いはストリート」。そんなFTR1200のキーワードにも、深く納得させられた試乗であった。

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最終更新:7/22(月) 15:34
モーサイ

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