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不規則な生活が乳がんの発症に影響する!?| サーカディアンリズムと 乳がんの関係

7/22(月) 6:05配信

サライ.jp

文/松村むつみ


乳がんの発症リスクには、生活習慣、ホルモン治療、マンモグラフィでの乳腺濃度など、様々なものがあります。生活習慣の面に関して、比較的よく知られているものとしては、運動不足と肥満(特に閉経後)や飲酒、喫煙などがあります。生活習慣を改善することが予防に役立つのであれば、そうするにこしたことはありません。最近では、夜に寝て、朝起きる生活のリズム(これをサーカディアンリズムといいます)が、乳がんの発症と関わっていることがわかってきています。

以前から、夜勤など、昼夜逆転のシフトで働いている人や、客室乗務員などの不規則な業務に従事している人の乳がん発症率が高いことが言われてきました。

乳がんのみではなく、男性の前立腺がんも、不規則な生活の影響を受けると言われています。いずれも、ホルモンの関わるがんということが共通しています(サーカディアンリズムと関連のあるがんとして、乳がん、前立腺がんはよく挙げられますが、膵がんや肺がん、肝がんなど、他のがんとも関連があることが示唆されています)。

また、WHOの外部機関である国際がん研究機関(IARC)は、2010年に、発がん性がおそらくある(probably carcinogenic)という分類にシフト勤務を挙げています。

ではなぜ、夜勤や不規則な生活によって乳がんや前立腺がんのリスクが上がるといわれているのでしょうか。それには「体内時計」が関わっています。

2017年のノーベル医学・生理学賞は「体内時計」を司る遺伝子を発見したホール氏、ロスバシュ氏、ヤング氏に授与され、その際にサライ. jpでも、体内時計が健康に与える影響についての記事が執筆されています。彼らの貢献により、わたしたちが日夜行っている、「朝起きて、夜寝る」というごく普通の行動にも、遺伝子による裏付けがあることがわかりました。それらの遺伝子には、哺乳類では”Period” “Clock” ”Cry”などがあります。

また、最近では、6月12日に、京都大学が体内時計のリズムを刻むのに必要なスイッチとなるDNA配列を発見したと発表しました。

体内時計を司る遺伝子や、それにより産生されるタンパク質により、ホルモンの産生も影響を受けます。ホルモンの中でも、脳の松果体という場所で分泌され、睡眠を司るメラトニンというホルモンが、がん発症の抑制、性ホルモンのバランスに関わっていることが示唆されています。また、体内時計を司る遺伝子にも、Per2など、がんの発症を抑制する働きがあるものがあることもわかってきています。

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最終更新:8/12(月) 15:47
サライ.jp

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