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南アフリカ沖のザトウクジラが驚異の復活、最新調査で判明

7/22(月) 18:57配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

インド洋西部では600頭以下が3万頭超に、「最高のペースで増えています」

 新たに発表された予備的なデータによると、現在、インド洋西部に生息するザトウクジラは3万頭以上にまで増えているという。この海域のザトウクジラの個体数は約2世紀にわたる捕鯨によって激減し、1970年代末には600頭未満になっていた。

ギャラリー:美しいザトウクジラ 写真7点

 南アフリカ、プレトリア大学哺乳類研究所のテクニカル・マネージャーで海洋生物学者のクリス・ウィルキンソン氏が率いるチームは、南アフリカ共和国東岸のケープビダル沖を通過する、あるザトウクジラ集団の数を数えた。ザトウクジラは、毎年、南極海域の餌場からモザンビーク付近の繁殖域に移動する。そして研究チームは、2018年の調査とそれ以前のデータに基づき、インド洋西部に3万頭以上のザトウクジラが生息していると推定した。

「こんなに多くのクジラが見られたのは本当に嬉しいことです」とウィルキンソン氏は言う。「クジラは地球の裏側まで回遊する動物で、私たち人間は彼らの姿を見て、彼らとつながることができます」

 調査に協力した保全団体「ワイルドオーシャンズ」のジーン・ハリス事務局長は、ザトウクジラの個体数の回復は明るい兆候だと言う。「どんなにギリギリに見えても、私たちが正しく行動すれば、種も生態系も回復できることを教えてくれているからです」

200年にわたる捕鯨で激減、保護へ

 欧米人が南アフリカで捕鯨を始めたのは1790年代のことだった。当時の航海日誌や乗組員の日記から、マッコウクジラ、セミクジラ、ザトウクジラが、クジラヒゲや脂肪をとるために殺されていたことがわかっている。クジラヒゲは、クジラの口に並ぶ櫛の歯のような角質板で、今日のプラスチックのように加工しやすく、工業用品や工芸品の材料とされていた。またクジラの脂肪は、ランプや工業機械用の油の原料になっていた。

 クジラの回遊は正確に予測できたため、乗組員は毎シーズン同じ湾に行き、クジラが現れるのを待っていた。1隻の船は1回の航海で25頭前後のクジラを捕ることができた。

 捕獲されるクジラの数は、地域の陸上施設の発達とともに増えていった。例えば、東部の港町ダーバンには、1912年にはクジラの解体・加工施設が6カ所もあった。さらに、海上で解体・加工作業を行える捕鯨工船が登場すると、クジラの減少ペースはいちだんと加速した。第二次世界大戦前後の数十年間は、南半球で毎年数千頭のザトウクジラが殺されていた。

 1979年、ついに南アフリカがクジラの保護に立ち上がり、商業捕鯨を禁止した。その頃には、インド洋西部のザトウクジラは絶滅に近づいていて、個体数は300から600頭と見積もられていた。

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