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「ガタガタ言わずにやれ。嫌なら辞めろ」 改革に必要なのはトップの「強い意志」

7/22(月) 8:11配信

NIKKEI STYLE

《連載》プロ経営者 松本晃の流儀

プロ経営者の松本晃氏は、2009年にカルビーの会長兼最高経営責任者(CEO)に就任して以降、業務改革や働き方改革、人材のダイバーシティー(多様性)などを大胆に進め、在任9年間で、売上高を2倍、営業利益を6倍にしました。しかし、改革に抵抗はつきものです。改革が大胆なほど、抵抗も激しくなります。松本氏はどう抵抗勢力と向き合ったのでしょうか。

■多様性推進、どこでも「損」と思う人が

ダイバーシティーを進めるのは、簡単ではありません。一番大きな理由は、損をする人たちが出てくるからです。算数では、100+30=130と習いますよね。ところが、ダイバーシティーの算数は、100+30=100なんですよ。組織の人数を増やすのは簡単ではありません。男性100人のところに女性を30人入れたら、男性が30人はじき出される。その人たちは、どうしても損すると考えてしまうんです。

世の中は、基本的に定員制が多いですよね。プロ野球のチームは毎年、新たに外国人を入れる。ドラフトで高校生や大学生をとる。でも支配下における選手の数は決められていて、入った分だけ出さないといけないわけです。

球場のグラウンドで守備につくのも9人と決まっている。きょうだけ12人、なんてあり得ないでしょう。サッカーだってピッチに出る選手は11人とルールで決まっています。退場者が出て10人や9人になることはあっても、間違っても13人にはならないでしょ。

会社だって同じです。会社の場合、はじき出される人は激しく抵抗します。損するのだから、当然ですよね。自分がはじき出されなくても、誰かを去らせるのは嫌だという人だっているかもしれない。国会議員の数だって、昔から減らすと言い続けているのに、なかなか減らないじゃないですか。損をする議員がいるからです。そりゃ抵抗しますよ。人間なんて単純なものです。得したら喜び、損したら怒るんです。

もう一つ、ダイバーシティーへの抵抗になるのが、仲間内に入ってくる「異物」への不快感です。人間というのは、仲間内に異質な存在がまじると不快になる。男性10人の中に女性が1人入ったら……。日本人10人の中に外国人が1人加わったら……。言葉が通じないのにコミュニケーションをとらないといけないとか、いろいろあって面倒に思い、異物と捉えるようなことが起きてしまう。でも、人間としてそういう反応をしてしまうとしても、それを乗り越えないとうまくいきません。そうでしょ。

会社を大きく変えようと思ったら、トップダウンで、いろいろな抵抗勢力と戦わなくちゃいけない。一番大切なのは、トップが強い意志を示すことです。「ガタガタ言わずにやれ。嫌なら辞めろ」というくらいの強いメッセージを発する。そうしないと勝てません。

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最終更新:7/22(月) 10:49
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