ここから本文です

本当はどうなる?年金問題

7/22(月) 14:30配信

nippon.com

老後の不安は国民的課題だ。私たちは公的年金だけで暮らしていけるのか。いけないとすれば、65歳の年金支給開始までにどのぐらいの資金を用意しておくべきなのか。

貯蓄取り崩し

まず、調べたいのは、老後の貯蓄取り崩しは実際にはどのくらいの金額に上るのかという点だ。前提として夫婦2人で公的年金を主な収入源とする世帯をイメージして考える。使用する統計は、総務省「2014年全国消費実態調査」(5年ごとの調査の最新分)。65歳以上の無職世帯(年金生活世帯)の年齢階級別データが、総務省「家計調査」よりも詳細に分かる。

その中の2人以上世帯では、世帯主年齢65~69歳は月平均の家計収支の赤字が60276円だった(図表1)。この5年間累計では362万円の赤字となる。この年代の貯蓄残高は平均2254万円であり、退職金で蓄えられた部分は大きいだろう。しかし、70~74歳になると、貯蓄残高平均は1994万円と258万円も減っており、貯蓄の大きな取り崩しが予想されている。

節約効果

さて、注目してほしいのは次のデータだ。月平均の赤字幅は年齢を追うごとに小さくなり、85歳以上になると月9330円の黒字に転換する。これに伴って貯蓄残高は75~79歳に最低になった後は、いったん拡大する。

このデータは、65~69歳の家計赤字(月60276円、年72万円)が30年間ずっと継続するわけではないことを示している。もし、その水準の赤字が30年間続くと、不足幅は2170万円にまで膨らんでしまう。高齢者夫婦はそんな赤字を続けることはせず、年を重ねるごとに支出額を減らしていき、平均値では85歳以上になると貯蓄を取り崩さなくても済むように対処している。また、65歳以上の単身世帯の収支(図表2)は、80歳以上でも黒字になってはいないが、加齢とともに赤字幅が減っている。

高齢の年金生活世帯が、どの品目の支出を節約しながら赤字幅を小さくしているのかを調べると(1)洋服など被服・履物費(2)自動車等関係費(3)旅行など教養娯楽サービス費-の主に3つ。食料費などは削りにくいのだろう。

結果として85歳以上の貯蓄残高は2人以上世帯で平均2109万円、80歳以上の単身世帯で1509万円(男性1652万円、女性1443万円)となる。無論、80歳になって1500万~2000万円の貯蓄残高があっても、全て生活資金に充てるものでなく、病気や介護費用、住宅リフォームへの備えも必要だろう。65~84歳までの家計収支の赤字に備えようとすれば、累計で760万円を受給開始時に用意するという見方はできる(運用益などは考慮せず)。

1/4ページ

最終更新:7/22(月) 14:40
nippon.com

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事