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親子の歌:オズボーンの「親子写真」プロジェクト

7/22(月) 15:07配信

nippon.com

トニー・マクニコル

写真家ブルース・オズボーンは昨年、親と子の肖像を収めた写真集『OYAKO』を刊行した。親子写真の撮影は40年近く続いている彼のライフワークである。7月第4日曜日を「親子の日」と定め、年に1回、親と子が向かい合う日として定着するように、活動を続けている。

親子写真に魅了されたきっかけ

今から37年前の1982年のこと、ブルース・オズボーンはある雑誌から、日本人パンクロッカーのポートレート撮影を依頼された。当時、東京を拠点に写真家として活動していたオズボーンにとって、それは数ある仕事の一つにすぎなかった。しかし、ただ普通に撮るだけではつまらない。

間もなく彼は、モヒカン頭で、革ジャンに身を包んだミュージシャンを、普通の服装をした母親と一緒に写真に収めるというアイデアを思いつく。ギャップを狙ったつもりだったが、実際に撮ってみたら、写真から親子の一体感を感じ取った。

これをきっかけにオズボーンは親子写真に魅了され、彼のライフワークとして37年間にわたり7,500組を超える親子の写真を撮ってきた。

親子の日

「年に1回、親と子が向かい合い、その日を通じて、親子の絆が強められたら素晴らしい」というオズボーンの強い思いから、2003年に「親子の日」を制定した。7月の第4日曜日を「親子の日」と決めたのは、5月第2日曜日の母の日、6月第3日曜日の父の日に続くからだ。

初めての「親子の日」には、オズボーンは100組の親子を招いて写真を撮影した。最初の年の成功を受け、それ以降も毎年続けて100組の親子を招待している。今年(2019年)は7月28日に都内のスタジオで100組の親子の撮影が予定されている。

オズボーンは日本各地で、自分が撮影した親子写真の展示会を開催したり、地方自治体と協力して、親子にまつわるイベントを主催するなど、徐々に親子プロジェクトの活動の場を広げていった。他の写真家たちもオズボーンに賛同し、親子プロジェクトに参加するようになってきたのだ。今年は、「親子写真まつり2019」と題して、国内外25人の写真家がそれぞれ撮った「親子」写真を、7月6日から8月2日まで、日本外国特派員協会で展示する。

「何よりも、このプロジェクトを通じて出会った家族の皆さんに感謝の気持ちを伝えたい」とオズボーンは語る。「私たちの人生を支える基盤となっている関係を見直し、再確認する機会を皆さんに提供できればと考えている」

2018年10月、オズボーンは『Oyako:An Ode to Parents and Children』と題した念願の英語の写真集を出版し、シリーズ作品から選び抜いた88組を収録した。掲載された写真には、僧侶、主婦、茶道教授、弁護士、力士、会社員など、さまざまな職業の親子の姿が収められている。モデルの多くは無名の一般市民だが、中には誰もが知る著名人もいる。

歌舞伎役者の十二代目市川団十郎と息子の新之助の肖像も収められている。伝説的舞踏家の大野一雄と息子の慶人の写真もあれば、サンリオのキャラクター、ハローキティと、母親のメアリー・ホワイトに扮した人物の肖像もある。

オズボーンは全ての写真をモノクロで撮影し、背景もシンプルな白を選んだ。「親子の姿とその関係に焦点を絞りたかったからだ」と語る。

「何もないスタジオで撮影するもう一つの利点は、それが彼らにとって新しく未知の体験であることだ」とオズボーンは言う。「親と子の外見が似ていない場合でも、どこかに必ず共通点がある――笑い方とか恥ずかしがり方といった小さなことが」

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最終更新:7/22(月) 15:07
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