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盧武鉉、文在寅……98歳の“知日派韓国軍人”が危惧していた「反米政権の誕生」

7/22(月) 5:30配信

文春オンライン

文在寅、慰安婦、徴用工……「反日」ばかりじゃない。98歳の韓国軍人と日本を繋ぐ物語 から続く

【写真】韓国の金浦空港に着陸した日航機よど号

 冷戦構造崩壊に伴い、私が防衛駐在官として勤務していた1990年~1993年までの間、韓国はソ連(ロシア)、次いで中国と国交を樹立した。このような戦略環境の中で、韓国政府・国防部首脳の中には、従来のアメリカ一辺倒の安全保障戦略を見直し、「米国離れ」を模索し始める動きもあったが、白善燁(ペク・ソニョップ)大将はこのような動きには極めて批判的であった。

「福山さん、私のように米国と共に朝鮮戦争を戦い、その後も韓米安全保障関係の強化に尽力して来た者は、韓米安保関係が韓国の生存にとって何ものにも代え難い程重要であることを身に染みて理解している。韓米安保関係は、国防のみならず、政治・経済などにとっても計り知れないほどヴァイタル(生命)である。朝鮮戦争をよく知らない世代になると、このことを良く理解出来ない者が増え、行く末が心配だ」

反米路線に進み始めた韓国

 白大将の心配は的中した。その後、2003年には盧武鉉政権が誕生し、反米的な政策が浸透した。2017年に発足した文在寅政権が盧武鉉政権の流れを汲んでいることは、言うまでもない。

 これは我々にとっても他人事ではない。白大将が指摘された「韓米関係の重要性」を「日米関係の重要性」に置き換えれば、日本にとっても至言と言うべきであろう。中国が台頭する中で、今こそ日米関係の重要性を再認識すべき時が来ている。

陸上自衛隊がもっともお世話になっている外国軍人

 白大将は、韓国陸軍の最長老で、親米・知米派の重鎮と目される。盧武鉉政権がアメリカから距離を置き始める中、2005年、ブッシュ政権はわざわざ在韓米軍司令官ラポート大将のエスコートで白大将をワシントンに招き、改めて最高の勲章を授与したという。

 また、白大将は、韓米関係のみならず、反日感情の強い韓国にあって、日韓関係の重要性を誰よりも良く認識しておられる方である。

 白大将には、御多忙の合間を縫って、陸上自衛隊幹部学校や富士学校などで活発に講演などをしていただいた。また、自衛隊の各種学校の韓国研修の際は、朝鮮戦争の戦跡で、自らの戦争体験を淡々と語られ、戦場の実相と指揮・統率のあり方なども教育していただいた。陸上自衛隊にとっては、もっともお世話になっている外国軍人と言っていいだろう。

 私がソウルにいる時も、「福山さん、日本からお客様が来られているのでお食事でもしませんか」とたびたび御招きいただいた。実際に行って見ると、久留米の幹部候補学校生や防衛大学校の学生達と、まるで可愛い孫達と語らうが如く和気藹々と会食をしておられた。

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最終更新:8/6(火) 1:39
文春オンライン

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