ここから本文です

贈与税は相続税より「圧倒的に安い」!?…が税務調査に注意

7/22(月) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

相続税対策の手段のひとつに「生前贈与」があります。しかし、生前贈与の仕組みをしっかり理解していないと、「税務調査」の対象になってしまうことも。そこで本連載では、円満相続税理士法人の橘慶太税理士が、専門語ばかりで難解な相続を、図表や動画を用いてわかりやすく解説していきます。本記事は、生前贈与にまつわる基礎知識について見ていきます。

贈与税は「年間110万円」まで非課税

本記事では、贈与税のことを広く浅く解説していきますので、全体像をつかんでください。まず、よく耳にする「贈与税は年間110万まで非課税」ということについて。贈与税は1年間あたり110万円まで非課税とされています。110円万を超える生前贈与をうけた場合には、その超えた部分に贈与税がかかって、そして税務署に対して申告をしなければいけません。

たとえば、平成29年中に110万円を超える財産をもらった人がいたとすれば、その次の年である平成30年の2月1日から3月15日の間に、贈与税の申告をして、贈与税を支払うことになります。この2月1日~3月15日という期間ですが、何か見覚えのある期間かなと思うのですが、いかがでしょう?

そうなんです。所得税の確定申告と同じ時期に行うのです(厳密にいうと所得税の確定申告は2月16日から3月15日の間ですが)。しかし、ここで注意しなければいけないのは、所得税の確定申告と贈与税の申告は、まったくの別物であるということです。人によっては、2つ申告が必要になる場合もあるので、混同しないように注意してください。

また、これもよく混同されてしまうのですが、贈与税の申告をするのは、財産をもらった人です。あげた人ではありません。両親から子どもに対して贈与をしたのであれば、贈与税の申告をするのは子どもということになります。なお、生前贈与は産まれて間もない赤ちゃんにもできますが、そのような場合には親権者が代わりに申告書を提出して問題ありません。

ちなみに、生前贈与でもらったお金が、社会保険料、住民税、医療費の負担にどのような影響を与えるか、ご存知ですか? 正解は……

影響はありません。生前贈与で1億円もらったとしても、社会保険料や住民税、医療費の負担に影響は一切ありませんので、安心してください。また生前贈与でお金をもらっても、自身の勤め先にそのことを知られることもありません。副業などをすると、住民税の関係で勤め先に副業がばれることはよくありますが、生前贈与と住民税は無関係なので、その点も安心してください。

さて、突然クイズです。「この場合、贈与税の申告は必要になるでしょうか?」。筆者が開催するセミナーでいつも出題する、ちょっとしたクイズです。正答率はいつも50%になるため、大変盛り上がります。

ある年、お父さんが子どもに対して110万円の生前贈与を行いました。同じ年、この子どもはお母さんからも110万円の生前贈与を受けていました。この場合、この子どもに贈与税の申告は必要でしょうか?

いかがでしょう? 先ほど、筆者は「贈与は年間110万まで非課税ですよ」と伝えました。今回のケース、贈与税の申告は必要になります。申告しなければいけません。先ほど筆者は年間110万円までは非課税と伝えしました。この110万円の考え方は、もらった金額です。あげた金額ではないのです。この子どもさんがいくらをもらっていたか、もう一度見てみましょう。

父から110万円、母から110万円もらっていますので、合計220万円をもらっていることになります。つまり、110万円を超えてしまっているのです。そのため贈与税の申告が必要になってしまうのです。

では、続けてクイズをだしていきます。このケースでは、贈与税の申告は必要になるでしょうか?

いかがでしょうか? もらった金額が110万円以内であれば、贈与税はかかりませんので、正解は……もらった金額がそれぞれ110万円以下になるため、贈与税はかかりません。このお父さんからすれば220万円を贈与していますが、贈与税は1円もかからないのです。それでは、応用編として次の場合には贈与税がかかるか考えてみましょう。

子どもだけではなく、子どもの妻や婿にも110万の贈与をしたとします。この場合も贈与税はかからないのでしょうか?

正解は、やはり、それぞれ110万円以内になるため贈与税は非課税になります。ここでよく質問されるのが、「血のつながりのない人にも生前贈与はできるのですか?」という質問です。答えは「YES」です。生前贈与は血のつながりのない人にもできます。子どもの配偶者に対しても、もちろんOKです。

配偶者まで含めて贈与をすれば、1年間に440万円を贈与しても非課税になるというわけです。それでは最後に、次のケースは贈与税がかかるでしょうか?

子ども2人、子どもの配偶者2人、孫4人の合計8人に110万円贈与しています。合計で880万円です。この場合、贈与税はどうなるでしょうか?

正解は、贈与税は一切かからないのです。なぜなら、それぞれ110万円以内になるからです。あげている金額は880万円ですが、もらう人が8人いれば、すべて非課税になるのです。当たり前のことのように見えるかもしれませんが、これってすごいことだと思いませんか? 今年の12月までに一度、880万円贈与して、来年1月に、もう一度880万円贈与すれば、合計で1760万円を無税で贈与することができるのです。

このように、財産を贈与できる人がたくさんいる場合には、できるだけ多くの人に贈与してあげると、税金の負担を抑えることが可能です。しかし、将来の相続税を少なくする目的だけで、亡くなってしまう直前に駆け込みで生前贈与をしようとする人がいます。そういった節税目的だけの駆け込み贈与ではなく、もっと早い時期から生前贈与をする人を増やすために、贈与税には、3年内加算のルールというルールがあるのです。

このルールは一言でいうと、亡くなる前3年以内に行われた生前贈与はなかったことにする、というものです。亡くなる前3年以内に行われた生前贈与はなかったことにされ、相続税の対象に戻されてしまうのです。この3年内加算のルールは、原則として孫に対する贈与には適用されません。

1/2ページ

最終更新:7/22(月) 12:00
幻冬舎ゴールドオンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

富裕層・企業オーナー必読!「知識武装し、行動する」ためのWEBメディア。「資産防衛」に関する最新情報とノウハウを配信!

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事