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「警察呼んで!」親が支払い続けた家賃滞納…ついに強制退去へ

7/22(月) 10:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

本連載では、章(あや)司法書士事務所代表・太田垣章子氏の著書『家賃滞納という貧困』(ポプラ社)より一部を抜粋し、延べ2200件以上の家賃滞納者の明け渡し告訴手続きを受託してきた著者が実際扱った「家賃滞納」事例を取り上げ、普通の人が貧困に陥らないための予防策やトラブル解決方法を探っていきます。

長期間に渡り連帯保証人が家賃を払い続けた本当のワケ

「もう本人も40歳を過ぎているのだから、自分で払ってもらわないと。今まで何千万円分も払ってきたんだ。もう払いきれません」

連帯保証人の木村慎之介さんの言葉です。歳は70歳。41歳になる息子の哲郎さんが家賃を払わないので、何年も代わりに払ってきました。

哲郎さんは、もう20年近くこの部屋に住んでいます。会社勤めをしていた頃は、家賃もきちんと支払われていたのですが27歳で起業し、掃除やマット交換の代理店を始めてから事態は暗転。経営が上手くいかず、家賃も滞納しがちになっていったのです。

連帯保証人が10年以上も賃借人に代わって家賃を払い続けるというのは、かなり稀なケースですが、慎之介さんに督促すればすぐに払ってもらえたので、家主も敢えて別の手を打ってきませんでした。その結果、慎之介さんが肩代わりした金額はすでに1500万円を超えていました。

ところが突然、その連帯保証人から支払いを拒否されたため、家主は明け渡しの手続きに乗り出しました。その状況になっても哲郎さんは、自分では払おうとはせず、督促に行った担当者にも、「親父に払ってもらえ」と悪態をつくだけでした。そもそも連帯保証人というだけで、なぜこんなに長期間支払い続けたのだろう? そんな疑問を抱いた私は、慎之介さんに連絡をとってみたのです。

お願いですから、もうあいつを追い出してください。もう私の手には負えません。あいつは子どもの頃から成績も悪く、何をやってもダメな子だったんです。地元の学校に進学されてはあの子のレベルが知られてしまうので、東京の大学に行ってくれて助かりました。名もない学校でも「東京の大学に行っています」と言えますから。

やっと就職したと思ったら、競艇に手を出して。収入はあるはずなのに、いつもお金を無心してきたんです。いったいどれだけお金を送ったことか、もう覚えていません。それなのにいきなり脱サラすると言い出して。そのときも1000万円ほど用立てました。うまくいってるのかと聞くと、「うるさい」って怒鳴るので、何も聞けません。

ここ数年は、毎月のように家賃の督促が私の方にあって、仕方がないのでずっと払ってきました。でも、もう私も限界です。これまで哲郎に何千万も持っていかれているんですよ。もう年金生活なんです、勘弁して欲しいです。

ここ最近、哲郎とは連絡もつきません。何通手紙を送っても音沙汰なしです。私は体力的に東京まではもう行かれませんから、哲郎の姉を行かせてみたんです。そうしたら哲郎に殴られたって、泣いて九州に戻ってきました。もう私たち家族では、手に負えません。

あの子さえいなければ、我が家はとても平穏なのです。哲郎がいるから、私たちは安心して寝ることもできない。どこか消えてくれればいいのに、本気でそう思います。

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最終更新:7/22(月) 10:00
幻冬舎ゴールドオンライン

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