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夏に悪化するかゆみ・かぶれ 実は金属アレルギーかも

7/23(火) 10:12配信

NIKKEI STYLE

夏場にひどくなる、かぶれやかゆみがある。原因は金属アレルギーかもしれない。金属が汗をかいた肌に触れたり、体内に吸収されたりすることで起こる皮膚疾患だ。発症のメカニズムや対処法を追った。
「ピアスで耳が赤くただれる」「ネックレスで首がかぶれてかゆい」。こんな症状が出るなら金属アレルギーの可能性がある。汗ばむ夏場に発症する人が多い。人間の皮膚は金属に触れただけではトラブルを起こさない。日本医科大学付属病院皮膚科准教授の藤本和久氏によると、「金属が汗や唾液など体液に触れイオン化すると体内に入り込むようになり、アレルギー反応を引き起こす」。
体内に入り込んだ金属イオンのほとんどは尿や便で排出されるが、わずかな量が体内のたんぱく質と結合する。人によっては免疫機能がこれを異物、すなわちアレルゲン(アレルギーの原因物質)とみなし記憶することがある。次に同じ金属に触れたとき、アレルギー反応による皮膚炎が起こる。
金属アレルギーの症状には2種類ある。一般的なのは、アクセサリーなどの金属が直接肌に触れた部位にかぶれやかゆみが生じる「アレルギー性接触皮膚炎」だ。
皮膚を貫通するピアスは特にアレルギーを起こしやすい。まつげカール器など化粧器具でかぶれるケースもある。症状を抑えるには、ただちに原因金属を使った装飾品などの使用をやめる。
見落としがちなのは、夏になるとシャツの裾を胴回りの中に入れずにはくジーンズの金属ボタン。肌に触れると「裏側が汗で溶け出し、おなかに湿疹ができる人が少なくない」(藤本氏)。シャツの裾を入れるなど直接触れないようにして防ごう。
もう一つの症状は「全身型金属アレルギー」。歯の詰め物やかぶせ物などに使われる金属などによって、手のひらや足の裏に小さな水疱(すいほう)をともなうブツブツができるものだ。こちらも夏に発症しやすい。菊池皮膚科医院(東京・荒川)院長の菊池新氏によると「離れた部位で起こるため原因がわかりにくく、かつては謎の皮膚病とされてきた」。
詰め物の金属が唾液や飲食物の酸によって少しずつ溶け出して体内に吸収され、血流によって循環し、皮膚の表面に汗となって排出される。手足の末端は汗腺が多いことから「金属イオンが汗と一緒に皮膚に排出される際に、手のひらなどにアレルギー反応が出る」(菊池氏)。
治りにくい原因不明の皮膚炎は、全身型金属アレルギーを疑ってみよう。医療機関で歯科用金属が原因と診断されたら、金属を外し、セラミックやレジン(プラスチック樹脂)に換えた方がいい。
接触性アレルギーを引き起こしやすい金属の代表はニッケル、コバルト、クロム。中でもニッケルは、アクセサリーの金メッキの下地に使われることが多い。ほかにもコイン、携帯電話、化粧器具など様々なものに含まれている。
一方、全身型アレルギーの引き金になるのは歯科治療用によく使われる金属。パラジウム、インジウム、イリジウムといったレアメタルだ。
近年、金属アレルギー患者が増えている。現代人は食べ物や環境から有害な化学物質を取り込みやすくなり、ストレスも増えている。菊池氏は「これらによって免疫機能が影響を受けているのではないか」と分析する。
金属にかぶれやすい人は、パッチテストなどのアレルギー検査を行っている医療機関で検査を受け、自分に合わない金属を知っておくとよい。完治しにくいとされる金属アレルギーだが、原因金属をできる限り遠ざけることで発症を予防できる。
(ライター 松田亜希子)
[NIKKEIプラス1 2019年7月13日付]

最終更新:7/23(火) 12:15
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