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江川が掛布を剛速球で敬遠(1982年9月4日、阪神×巨人)/プロ野球1980年代の名勝負

7/23(火) 16:01配信

週刊ベースボールONLINE

プロ野球のテレビ中継が黄金期を迎えた1980年代。ブラウン管に映し出されていたのは、もちろんプロ野球の試合だった。お茶の間で、あるいは球場で、手に汗にぎって見守った名勝負の数々を再現する。

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江川のプライド

「フォアボールっていう選択は僕の中にはないんですね。そこに先発として、四番として選ばれて、恥ずかしいことはできない、っていうのはあるんですよ。だから歩かせられないですよね。全力でやっていくしかないんです。だから、お互いに、気の抜けたボール、気の抜けたスイングというのは、なかったと思いますよ。真剣に勝負する、最初から歩かせるっていう行為がないっていうことが、もう来てもらった人への、お礼なんですよ。変な話ね、自分がベストボールを投げたのを、もし打たれたのだとしたら、それはいいじゃないですか。そこがポイントだと思うんです」

 巨人の江川卓が振り返る。一方、

「バットが空を切ってもですね、それなりのスイングをしていると思うんですよ。それを上回るボールを投げてきただけですから。ピッチャーが全力で投げたボールをバッターが全力で打つ。単純な、投げて打つんだ、という、すごく分かりやすい対決があったほうが、野球の魅力を感じるんじゃないですかね」

 阪神の掛布雅之は、こう振り返っている。

 1980年代の名勝負で、個と個の対決で最も記憶に残るものを挙げるとすれば、この江川と掛布の真っ向勝負になるのではないか。下位打線への“手抜き”で批判されることもあった江川も、掛布に対してはウイニングショットのインハイへのストレートを投げ続け、掛布もフルスイングで応えた。

 巨人と阪神という伝統のチームで、それぞれがエースと四番打者。試合の勝敗を決めるような場合ではなくても、この2人の対決はファンを熱狂させた。同学年で、ともに最大のライバルとして名を挙げる2人。初対決の79年から通算185打席で対戦し、167打数48安打、14本塁打、21三振で、打率.287。死球はゼロで、四球は13、そのうち故意四球と記録されているものは、わずか3に過ぎない。もしかすると、打った、打ち取られた、という以上に、敬遠の場面が記憶に残っているというファンもいるのではないか。少なくとも掛布の記憶には、最初の敬遠は深く刻み込まれている。

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最終更新:7/23(火) 16:01
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