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いったい何を「管理」する? 会社における管理職の仕事とは

7/23(火) 6:07配信

サライ.jp

「管理職」とはいったい何を「管理」するのか考えたことがあるだろうか? 「管理職」について、リーダーシップとマネジメントに悩む、すべてのビジネスパーソンのためのノウハウサイト「識学式リーダーシップ塾」から、その考察を見てみよう。

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管理職がすべき事は「マネジメント」なのか?それとも「管理」なのか?

あなたが管理職として求められている役割は、以下2つの内、どちらですか?

A.自組織をマネジメントする事
B.部下を管理する事

この質問に、自分の考えをもって明快に答えられる管理職は、実は数少ないのではないでしょうか。
管理職という言葉から「管理職の役割は部下を管理することである」と捉えられがちです。

しかし、変化の激しいこの時代、管理職に求められる役割が「部下を管理する事」で良いのでしょうか?

ここでは、創業間もないスタートアップから業界最大手の会社まで、様々なフェーズの企業で働いてきた私の体験談から「マネジメントと管理」について考えていきたいと思います。

似ているようで、実はそもそもレイヤーが違う「マネジメント」と「管理」

辞書によると、「マネジメント」とは「経営などの管理をすること」と表現されています。
一方、「管理」とは「ある基準から外れないよう全体を統制すること」と表現されています。
また、「管理職」とは、「官公庁・企業・学校などで、管理または監督の任にある職」と書かれています[1]。
言葉だけを見てしまうと、益々、その違いが分かりづらくなってきます。
では、「マネジメントを発明した」と言われるピーター・ドラッカーは、どのようにマネジメントを表現しているのでしょうか?
ピーター・ドラッカーいわく、「マネジメントとは組織に成果を上げさせるための道具・機能・機関であり、マネージャーとは組織の成果に責任を持つ者である」との事です[2]。
こうしてドラッカーの言葉を見てみると、「マネジメント」と「管理」は、そもそも”レイヤーが異なる”事項であるという事が分かってきます。

その理解を一層深めていくため、「管理職は、なぜ部下の仕事を管理するのか?」という事を、あらためて考えてみましょう。

管理職が部下の仕事を管理する理由には、
「プロジェクトの進捗が遅れており、クライアントが怒っているから」
「会議で自組織が進めている全プロジェクトの進捗報告をしなければならないから」
「部下を成長させたいから」
など様々あります。

しかし、これらは全て直接的な理由でしかなく“目的”ではありません。
全ての目的は、プロジェクトの「成果創出」にあるはずです。クライアントが怒るのも、会議で進捗報告が必要なのも、部下を成長させるのも・・・全ては仕事の成果を創出するためです。
中には「クライアントに怒られたくないから」「会議で怒られたくないから」といった考え“だけ”で部下の仕事を管理している管理職も存在するでしょう。

それでは、“ドラッカーの定義するマネージャー”としては失格となってしまいます。
ドラッカーの定義するマネージャーの役割は「組織の成果に責任を持つ」事です。つまり、「管理」は「マネジメント」を遂行するための1つの手段でしかないのです。

そうであるにも関わらず、「私の役割は、部下を管理する事だ」という勘違いをしている管理職が世の中には沢山います。
その背景には、高度成長期の名残りがあるのではないかと私は推測しています。
高度成長期、例えば自動車メーカーは、来る日も来る日も、同じ車種を大量生産していました。
昨日と同じ事を【基準から外れず】量多くさえやっていれば、業績は右肩上がりとなっていた時代です。
そこに変化は必要なく、求められるのは正確さでした。
その正確さを担保する上で、最も簡単に取り入れられるマネジメント手法が「管理」だったわけです。
その影響が今でも根強く残り、部下の管理を自らの仕事と課す管理職が、日本全国に数多く存在しているのではないでしょうか。
しかし、IT革命により情報格差がなくなった今、ビジネスにおける変化のスピードはものすごく早いです。
昨日と同じ事をやっている企業は、あっという間に置いていかれてしまう時代、変化が求められる時代となりました。
では、マネージャーは古き良き時代の「管理」を捨て、新たなマネジメント手法を取り入れるべきなのでしょうか?
・・・実は、これも違います。

管理を捨てるという事が、この時代のマネジメント手法という訳では決してありません。
正しく、「マネジメント」と「管理」の違いを理解し、使い分けていく必要があるのです。私も、その違いを理解せぬままマネジメントに臨み、数々の失敗をしてきました。

次に、その失敗談をご紹介しながら、マネジメントと管理の違いについて、更に深く考えていきたいと思います。

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最終更新:7/23(火) 12:28
サライ.jp

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