ここから本文です

映画『よこがお』:深田晃司監督インタビュー「筒井真理子というキャンバスに描く自由」

7/23(火) 15:01配信

nippon.com

渡邊 玲子

カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞した『淵に立つ』(2016年)の深田晃司監督が、同作にも起用した筒井真理子を主演に迎え、最新作『よこがお』(7月26日公開)を世に送り出す。主演女優を想定しつつ自ら書いた脚本を、フランス人スタッフの感性を取り入れながら、世界に訴える衝撃作に仕上げた。ロカルノ国際映画祭(スイス)国際コンペティション部門への正式出品も決定。快進撃に期待がかかる深田監督に話を聞いた。

日仏合作の妙味

――『淵に立つ』『海を駆ける』に続き、『よこがお』も日仏合作映画となりますが、日仏合作にすることで、具体的にどのようなメリットがありますか?

深田 まずは2つの国から資金を集めることにより「創作の自由が確保されやすくなる」といった利点があると思います。それに加えて、今回はポストプロダクションにフランス人のスタッフを起用しているんですが、自分とは違う文化圏で育った人の感性が入ることによって、作品の世界がより広がるような気がしますね。

――日本人とフランス人のスタッフの間には、そもそもどんな違いがあるのでしょうか?

深田 一番の違いは「立ち位置」だと思います。どちらかというと日本の技術スタッフは「監督はどうしたいんですか?」「監督がやりたいことをきちんと形にしますよ」という傾向が強いのですが、フランス人スタッフの場合はアーティストという立ち位置で関わっているので、「こうしたらもっと面白くなる」というアイデアをこちらにどんどん提案してくるんです。それこそ、その人の人生観もひっくるめてぶつけてくることが多いので、そこが面白いんですよね。

――逆に言えば、日本人スタッフとの方が、監督自身がやりたいことを実現しやすいという部分もありますか?

深田 もちろん、それはありますよね。ある意味ギャンブルみたいなもので、フランス人スタッフの提案が全然こちらのイメージと違うこともあるんですけど、例えばスタッフが10個アイデアを出してきて、そのうち9個が違ったとしても、残りの1個、こちらが想定していたことよりも面白い場合がある。実はそれが一番大事だったりするんです。その1個をすくい取るために、それぞれがアーティストとして意見や考えをぶつけ合って信頼関係を築いていく方が、結果的には作品が豊かになるんじゃないかという気はしますね。

1/4ページ

最終更新:7/23(火) 15:01
nippon.com

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事