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横断歩道の白線を跨げない人は要注意! 4年間の追跡調査でわかった「歩幅と認知症」の意外な関係

7/23(火) 5:30配信

文春オンライン

「歩幅が狭い人ほど認知症になりやすい」。そんな研究結果があるのをご存知だったでしょうか。歩き方と認知症に関係があるなんて、ちょっとびっくりですよね。

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 この事実を明らかにしたのは、東京都健康長寿医療センター研究所協力研究員(2019年より国立環境研究所主任研究員)の谷口優さんの研究チームです。この6月、谷口さんは『 たった5センチ歩幅を広げるだけで「元気に長生き」できる! 』(サンマーク出版)という本を出版しました。

歩幅の狭い人は3倍以上も認知機能が低下していた

 谷口さんの研究チームは、群馬県と新潟県に住む65歳以上の方1000人以上を対象とした調査を行いました。ひとりひとりの歩幅を調べ、歩幅の「狭い人」「普通の人」「広い人」の3つのグループに分け、最長4年間にわたり追跡調査をしたのです。

 その結果、歩幅の狭い人は、広い人に比べ、なんと3倍以上(3.39倍)も認知機能が低下していました。また、その傾向はどの年齢においても変わらず、70代でも、80代でも、90代でも、歩幅が狭い状態で年を重ねている人ほど、認知症のリスクが高いことがわかったのです。

歩調の速さは関係ない

 なお、このデータは年齢・性別・身長や、病気などの影響も加味されて補正されているので、身長が低い人や女性にも等しく当てはまります。また、歩く速さは「歩幅(1歩の大きさ)」と「歩調(地面を踏むテンポ)」の掛け算で決まりますが、歩調は認知機能低下とは因果関係がないことも研究でわかったそうです。

 つまり、歩くテンポが以前と変わらなかったとしても、歩幅が狭ければ認知症のリスクがあるということです。最近、高齢の親などの様子を見て、「歩幅が狭くなった」あるいは「歩くのが遅くなった」と感じたら、要注意かもしれません。

どれくらいの歩幅だと「危ない」のか?

 それにしても、なぜ歩幅と認知症に関係があるのでしょうか。それは脳の運動に関連する部分の萎縮や、加齢にともなって起こる症状の出ない微小な脳梗塞などが、認知機能に障害が出る前に、運動に影響を与えているからだと考えられています。つまり、脳の機能の衰えは、認知機能より先に、「足(脚)」に現れるのです。

 では、歩幅がどれくらい狭くなったら「危ない」と言えるのでしょうか。谷口さんによると、その目安は「65㎝」。歩幅は一方の足のかかとから、もう一方の足のかかとまでの距離で測るので、横断歩道の白線(約45㎝)を踏まずに歩いて越えられれば、45㎝+足の大きさ(20㎝+α)となり、65㎝以上の歩幅があると考えていいそうです。

 逆に、横断歩道の白線を踏んでしまう人は、認知症リスクがあるということです。歩幅の狭くなった人が、認知症を予防するにはどうすればいいでしょうか。谷口さんは「今より5㎝、できる人は10㎝歩幅を広げて歩くよう意識してほしい」と言います。

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最終更新:7/23(火) 5:30
文春オンライン

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