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小島健輔が指摘『AIどころじゃないアパレル業界の在庫管理と決済の実態』

7/24(水) 5:00配信

商業界オンライン

 流通業界ではAIや無人精算がトレンドとなっているが、アパレル業界の現実は到底そんな段階ではないようだ。当社で集計したICタグなど在庫管理と決済の実態は、それ以前に解決すべき課題が山積していることを露呈している。

バーコードさえ使いこなせていない現実

 今回の集計はクライアントの31社と限られるが、アパレル業界の実態に近いと思われる。ICタグ導入済みは2社(導入準備中が1社)と限られ、いまだバーコードが主流だ。

 入荷検品では導入済みの2社のうち1社がICタグを読み取って全点検品しているが(もう1社は棚卸しのみ)、驚いたのはバーコード活用の30社中、バーコードを読み取って全点検品しているのは3社にすぎなかったこと。単価が低く大量販売する14社はパッキン単位の検品だけで全点検品はせず(出庫段階で全点検品)、残る13社はバーコードを使わずに現物と伝票を突き合わせて検品していた。

 理由は、『バーコードの取り付け位置が商品ごとに異なり、探す手間より商品の外見と伝票を突き合わせた方が速い』『商品の大半が透明なポリ袋に入っており、その外からは読み取れない場合が多い』で、実用化されて久しいのに基本的な課題さえ解決されていない現実に唖然とさせられた。

 ICタグでも入荷検品は金属枠で囲ったスキャナーゲートを通せばミスはないが、売場での棚卸しではスキャナーの感度設定に慣れないとスキャン漏れが発生し得るし、ICタグを防犯タグとして利用する場合も店内商品のICタグを感知してしまうことがある。単品(SKU)管理のバーコードに対してICタグは絶対個品管理で多重の読み込みをサーバーで付き合わせるから二重読み込みはあり得ないが、スキャン漏れは生じ得る。

 長年使われてきたバーコードでも使用にスキルが必要で、ようやく実用化されだしたICタグでもタグの取り付け位置(金属パーツ障害)やスキャナーの感度設定など、使用スキルが安定するまで精度に課題があったが、電波位相時系列情報をAI解析してこれらのミスを回避し、探す商品の位置を瞬時に10cm以下の精度で特定するスキャンシステムがRFルーカス社から発表されているから、使用スキルの壁も早々に解消されそうだ。

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最終更新:7/24(水) 5:00
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