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ある写真家が夢想したポストヒューマンな未来

7/24(水) 12:13配信

WIRED.jp

未来がどうなるのか、本当のところは誰にもわからない。それでも多くの人たちが、その姿を想像しようと努めてきた。

【写真】ポストヒューマンのもたらす未来をもっとみる

リドリー・スコットが監督を手がけた映画『ブレードランナー』で描かれたのは、ネオンが溢れ返る荒れた大都市だった。空にはクルマが飛び交い、都市はギラギラとした看板や威圧的な摩天楼でごった返している。こうしたなか、地球上に残った人々は身を潜めていた。

ジョージ・ミラーが監督した『マッドマックス 怒りのデス・ロード』では、タトゥーを入れた肌にボロきれをまとった悪党が、炎を吹くギターを狂ったようにかき鳴らしながら、過酷な砂漠を改造車で疾走する。

フェルナンド・モンティエル・クリントも彼自身が思い浮かべる未来を、写真シリーズ「DISTOPIA」で描き出している。それはやはり、とてつもなくダークで悲観的な世界だ。しかし、そうでありながらも、見ていてとても楽しい作品に仕上がっている。

そこは化学物質にまみれて荒れ果てた、キャンディカラーの地球。この世のものとは思えないサイボーグたちがプラスティックをまとい、さまよっている。この世界は“毒々しさ”と“甘美さ”を併せもつ。「不確かな未来で人々を待ち受けている『矛盾』のメタファーなのです」と、クリントは言う。

現代社会に対する不安

このプロジェクトは、いまという世の中に対してクリントが抱いている不安から生まれた(たいていのSF作品は似たような成り立ちだろう)。彼は、いかに自分たちがテクノロジーやインターネットに依存しているか、数年前から気にするようになった。まだ5歳の娘でさえ、スクリーンをかなりの時間にわたって見つめて過ごしている。この先どうなってしまうのだろう──。彼もそう考えたひとりだった。

こうした考えはふと頭をよぎっても、ほとんどの場合はすぐに忘れてしまうだろう。しかし、クリントは本格的にとりつかれてしまった。Google検索という“落とし穴”にはまった彼は、そこからイーロン・マスクや火星移住計画「マーズワン」、さらにはポスト・ヒューマンへとたどっていくことになる。

そして世界最初のサイボーグであるニール・ハービソンや、サウジアラビアで市民権を与えられているロボットのソフィアについての記事を読みあさり、YouTubeでボディハッキングの動画を山のように観たという。

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最終更新:7/24(水) 12:13
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