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樹木希林さんが貫いた「ものをもたない、買わない生活」

7/24(水) 21:10配信

ESSE-online

2018年9月15日に永眠された女優の樹木希林さんの言葉を集めた本『一切なりゆき』(文芸春秋社刊)。実売100万部を突破し、まだまだ売れ続けています。

女優として、女性として、母として、その魅力的な生き様を私たちに教えてくれた希林さん。今回は、希林さんが残した数多くの言葉から、お金やものとのつき合い方を紹介します。

樹木希林さんはどのようにしてお金やものと向き合っていたのか

本のタイトルどおり、潔く人生をまっとうされた希林さんが、さまざまな項目について語っています。
ここでは、お金やものとのつき合い方について、深くて重みのある言葉のひとつひとつを抜粋してお届けします。

『一切なりゆき~樹木希林のことば~』
樹木希林/著
文春新書(文藝春秋社刊)¥864
樹木希林さんが、雑誌のインタビューなどで遺した数多くの言葉を収録。「生きること」「家族のこと」「病いのこと、カラダのこと」「仕事のこと」「女のこと、男のこと」「出演作品のこと」などについて章ごとにユーモアを交えて語った1冊。

●「『もっと、もっと』という気持ちをなくすのです」
『一切なりゆき』(65ページより)

「もっと、もっと」という気持ちをなくすのです。「こんなはずではなかった」「もっとこうなるべきだ」という思いを一切なくす。自分を俯瞰(ふかん)して、「今、こうしていられるのは大変ありがたいことだ、本来ありえないことだ」と思うと、余分な要求がなくなり、すーっと楽になります。もちろん人との比較はしません。

これはやはり、病気になってから得た心境でしょうね。いつ死ぬかわからない。諦めるというのではなく、こういう状態でもここまで生きて、上出来、上出来。そのうえ、素敵な作品に声をかけていただけるのですから、本当に幸せです。
(「表紙の私 ありのままで」『婦人公論』2018年5月22日号より)

●「モノを持たない、買わないという生活は、いいですよ」
『一切なりゆき』(22ページより)

靴も昔から、長靴を含めて3足と決めています。長靴は40年ほど前に業務用のものを買って履き続けていたんですが、先日、履いているうちに中がちょっとしみてきてしまって。仕方なく出先で別の長靴を買ったので、一瞬だけ家に靴が4足ある状態になりましたけど(笑)。

洋服は、自分で買ったものはほとんどなくて、どなたかからお古を譲っていただいて、それを着やすいように自分で胸ポケットをつけてみたり、ちょっとリメイクして着ています。家具にしても同じ。どなたかが「もういらなくなった」というものをいただいて使っています。

もともとケチだということもありますけど、一度使い始めたら、それをできるかぎり活かして、最後まで使い切って終了させたいんです。「始末」ですね。

先日も、近所の方が引っ越しをする際に、家具を捨てていったんです。たしかに古ぼけていましたけど、昔の家具というのは素材がよくて造りもしっかりしているので、ちょっと直せば十分使える。その家具も自分で表面を塗り直して、今使っています。

モノを持たない、買わないという生活は、いいですよ。部屋がすっきりして、掃除も簡単。汚れちゃったけど、いまは忙しいから掃除ができない、どうしよう……なんていうストレスもない。暮らしがシンプルだと、気持ちもいつもせいせいとしていられます。
(「歳をとるのはおもしろい」『PHPスペシャル』2015年7月より)

●「モノがあるとモノに追いかけられます」
『一切なりゆき』(24ページより)

着飾っても甲斐がないし、光りものも興味がない。それより住むところを気持ちよくしたいなあって。

若い頃は安物買いの銭失いだったんですよ。でも、モノがあるとモノに追いかけられます。持たなければどれだけ頭がスッキリするか。片づけをする時間もあっという間。
(「50歳からの10年が人生を分けていく」『婦人公論』2016年6月14日号より)

●「不自由なものを受け入れその枠の中に自分を入れる」
『一切なりゆき』(50ページより)

日常生活では、手を抜くことがいちばん。そのためには、徹底してものを増やさず無駄を出さない暮らしをしています。まず買わない。

靴下は3年くらい前に4足1束で売っていた、はき口が広がってる締めつけないものを今も使っています。ブラジャーも締めつけないものでダラっとね。ゆったりといちばんラクに、布をまとっているという着方です。

年をとると、メガネだけでも何種類も増えるでしょ。そういうことをなくしてなるべく使うものを減らす。とにかく減らす。何かと何かを兼用できるとか一生懸命考えて、思いついたときはもう最高に幸せ(笑)。不自由? もちろん不自由でしょうよ。不自由なものを受け入れその枠の中に自分を入れる。年をとるというのは、そういうことです。
(「人生でやり残しはないですね。この先はどうやって成熟して終えるか、かしら。」『いきいき』2015年6月号)

希林さんの言葉の数々は、どれも深くて心にじーんと沁み入るものばかり。あなたの人生を輝かせる、その一助になりますように。

<文/ESSE編集部>

最終更新:7/24(水) 21:10
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