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算数教育の危機 「2億円は50億円の何%?」大学生の2割が間違えるという現実

7/24(水) 7:31配信

デイリー新潮

「%」を理解していない大学生

 ところが、それでもなお、取り組みの成果がまったく見えない分野がある。割合の「%」の分野だ。2012年の全国学力テスト(小学6年算数)で、「赤いテープの長さは120 cm、赤いテープの長さは白いテープの長さの0.6倍」ということが分かっているという前提で、その意味を示す図を(1)から(4)の4つから選択させる問題が出題された(【図3】)。誤解答の(3)を回答した生徒が50.9%もいる半面、正解の(4)を回答した生徒が34.3%しかいなかったのである。

 また、2012年度の全国学力テストから加わった理科の中学分野(中学3年対象)では、「10%の食塩水を千グラムつくるのに必要な食塩と水の質量」を求めさせる問題が出題された。が、「食塩100グラム」「水900グラム」と正しく答えられた生徒は52.0%に過ぎなかった。1983年に、同じ中学3年を対象にした全国規模の学力テストでもほぼ同一の問題が出題されたが、この時の正解率は69.8%だったのである。

 上記2つの問題の結果から、「元にする量」と「比べられる量」の理解が不十分なまま進学していくことが分かる。それらの用語の意味を理解せずに、「く(比べられる量)・も(元にする量)・わ(割合)」という公式を覚えて当てはめる「やり方」だけの暗記教育が学校教育でも流行っていることが主な原因だと考えられる。つまり、「元にする量」と「比べられる量」を取り違えても気付かないのである。

 そのままの状態で大学へ入学する者も多く、いわゆる有名私立大学文系学部に在籍する学生でも「%」を理解していない者は少なくない。この10年間に、「%」に関して他大学の関係者から、何件もの困惑する話が寄せられており、そのなかには「多項式に関する微分・積分の計算はできるものの、%を理解していない学生がいる」という証言がいくつかある。

 いろいろな調査から「2億円は50億円の何%か」という質問では2割ぐらいの大学生が間違え、50を2で割って「25%」という誤答が目立つ。もちろん正解は、2を50で割って(100を掛けて)「4%」となる。

 さらに、「西暦2000年に対し2001年は10%成長し、西暦2001年に対し2002年は20%成長したもの(売上高など)は、西暦2000年に対し2002年は何%成長したことになるか」という質問では、10に20を加えて「30%」とする誤答が正解より目立つ。ちなみに正解は、1.1×1.2と計算して、結果の1.32から「32%」である。

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最終更新:7/26(金) 15:41
デイリー新潮

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