ここから本文です

その助言、実は ×× の手口? 曖昧で誰でも当てはまる「バーナム効果」に気をつけろ!

7/26(金) 6:31配信

NIKKEI STYLE

■バーナム効果を高める4つの条件

バーナム効果を効かせるにはいくつかの条件があります。これらが兼ね備えられたときに、相手は信じやすくなります。

1つ目は、誰にでも当てはまるよう、どちらとも取れる表現をすることです。これを「マルチプルアウト」と呼びます。冒頭のテストはまさにそのオンパレードです。

よく読めば、文章の前半と後半は相いれない内容となっています。ところが、「○○の面もある」「こと(とき)もある」「感じている」と曖昧に書かれると、両立できてしまいます。こんな風に、どのようにも解釈できる表現をすることが最大のポイントです。

2つ目に、個人に向けてメッセージを出すこと。「このコラムの読者は」と不特定多数に対するよりも、読者の皆さん一人ひとりにプロファイリングの結果を伝えれば、信じる人が増えたはずです。今回はそれができず、せめて主語を「あなた」としたわけです。

3つ目に、権威の力を借りることです。冒頭のテストでわざわざ「アメリカの著名な心理学者」と書いたのは、それが理由です。もちろん嘘です! 特に相手が弱っていて、わらにもすがりたい気持ちでいるときは、権威の力は大きいものがあります。

4つ目に、ポジティブな内容にすることです。人間誰しも「自分を肯定したい」という気持ちを持っています。ネガティブな内容を告げられると、「自分はそうではない」と拒絶する気持ちが芽生え、効果が働きにくくなります。

■悪用されると怖い手法

いつもなら、「ビジネスにどう応用していくか?」という話がここから始まります。残念ながら今回はありません。セールスやマーケティングで悪用されると怖いからです。

悪い奴の手の内を明かすので、引っかからないようにしてほしい、というのが今回の趣旨です。というのは、私の同業者(コンサルタント)にもその手の輩がいるからです。

コンサルタントは占師と似ており、相手の悩みをズバリ言い当てることが商売に欠かせません。違いは科学的な方法を使うところ。とはいえ、最後は相手が信じるかどうかにかかっている点では、大差ありません。たとえば、コンサルタントからこんな診断を下されたら、どう思いますか。

・御社は、明確な経営戦略を打ち立てはいるが、事業や商品の選択と集中が徹底していない。
・御社の商品は、多くの顧客に支持されているが、本当に欲しい価値をまだ提供できていない。
・御社の仕事のやり方は、合理的なものだが、将来に向けて業務効率をさらに高める必要がある。
・御社の社員は、頭の回転が悪くないものの、ロジカルシンキングが十分に浸透していない。
彼(彼女)らは、どんな企業でも当てはまる話をして、どこに反応をするかを探ります。「そう言えば、以前大きな改革をした時に……」と相手が自ら情報を提供したら、「ですよね。それが問題の元凶なのです」と返して、さらなる信用を勝ち取ります(コールドリーディングと呼びます)。

そんな輩が御社に来たらご用心。「バーナム効果ですよね」とやり返してやりましょう。

2/2ページ

最終更新:7/26(金) 8:45
NIKKEI STYLE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事