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ジャニーズ史上“すごい表現”第1位 山下智久の歌詞――近田春夫の考えるヒット

7/27(土) 17:00配信

文春オンライン

『CHANGE』(山下智久)/『トップガン』(NEWS)



 山下智久の新曲『CHANGE』が自作自演だと聞き、興味が湧いた。チェックしてみたら、曲ではなく作詞の方であった。どんなことを書いているのだろう? 気になるのが人情てぇもんだ。早速歌詞カードなど見たいところを、はやる気持ちをグッとおさえ、まずは耳で確かめようと再生を開始すると、いわゆる“近未来感”溢れるイントロが流れてきた時にはゆったりとした曲なのかとも思ったが、歌が入るとビートが前面に出てくる。少しレゲエ寄りなヒップホップといった趣だろうか。この、jpopファンにはあまり受けぬリズム? の上にミニマルライクなメロディーを載せるというのも、結構男気のあるアプローチではある。

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 とにかく、安易に“子供/女子受け”を狙ったのではないことだけは確か(といういい回しが差別的だとの告発を受けぬことを願うばかりです)な制作(プロダクション)だ。

 元々が明るくない、というかむしろ暗い部類に属するかとも思われる山下智久の喉とそうしたサウンドの相性は決して悪くない。結果、肉声とトラックが合わさり、どこかどんよりと重い、シリアスな空気の支配する、笑顔の似合わぬ世界が、イメージとして脳内には広がるのだった。

 これまでにもジャニーズには暗い/寂しい心象を綴ったシングル曲はあったと思う。ただそうした過去の作品群とこの曲を比べると、これは暗さの意味合いがあきらかに違う。歌詞を読み、あらためて思うのは、ここに表されている悲しみは失恋であるとかいった(センチメンタルな)ものから来るのではないことだ。コアな部分にあるのは、この時代に生きるものならば誰しもが日々思わずにはいられぬようなリアルな“生”への問/不安だったりする。商業作品ながら『CHANGE』のテーマはなかなかに“ヘヴィ”なのである。いくら前向きな修辞がそれなりにちりばめられていようと結局、俺の心には、

 ♪腐敗した世の中に感染しそうだ
 ♪防衛本能?みんな嘘ばっか

 といった、ふてくされた表情の似合うようなフレーズばかりが残ってしまう。

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最終更新:7/27(土) 23:39
文春オンライン

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