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なぜ見えるのか? 「人間の目」の仕組みを解説

7/27(土) 7:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

年間1000件以上の日帰り白内障手術を手掛ける、医療法人敬生会フジモト眼科・理事長兼院長の藤本雅彦氏が、人間の目の仕組みについて解説します。

カメラの構造に例えられる「人間の目」の仕組み

 後悔しないための基礎知識 目の構造と仕組み 

今回からは、白内障と白内障手術に関する基礎的な知識を確認していきます。白内障手術を受けに行けば、どの眼科でもおおよその基礎知識は説明してくれると思います。私のクリニックでは、患者さんに「白内障手術を受けられる方へ」といったオリジナルのパンフレットやリーフレットをお渡しし、内容の理解に役立ててもらっています。

ただし、初診時など心構えがまだ整っていないときに説明を受けても、正しく理解するのは難しいものです。「はい、はい」と頷きながら聞いていると、医師は「患者さんは納得してくれた」と受け止めがちですが、実はそこから患者さんと医師との認識のずれが始まってしまいます。

受診前に基礎知識をすべて把握しておく必要はありませんが、言葉に見覚え・聞き覚えがあるだけでも、医師の話の内容が頭に入ってきやすくなります。

ここでは私が日頃行っている説明をもとに、必要最低限の基礎知識を紹介します。人間の目の仕組みは、よくカメラの構造に例えられます。

目に光が入ると、光は角膜→水晶体→硝子体→網膜を通り、網膜の部分でものの像を結びます。

まず「角膜」は、分かりやすく言うと、コンタクトレンズをのせるところです。光は角膜から眼内に入りますが、光がまぶしすぎたり、反対に暗すぎたりするときは、角膜と水晶体の間にある「虹彩」が光の量を調節します。この虹彩の中央に空いている穴が「瞳孔」です。

虹彩の役目はカメラでいえば「絞り」にあたり、まぶしければ瞳孔を狭め、暗ければ瞳孔を大きくし、光の量を調節します。

目のピント調節を行う「水晶体・毛様体・チン小帯」

次に、白内障手術で最も重要な場所となる「水晶体」です。水晶体はカメラの「レンズ」にあたります。直径は平均で約9㎜、厚さは平均約4㎜。横から見るとラグビーボールのような、少し楕円の凸レンズのような形をしています。

中身はタンパク質と水分から構成される透明な組織です。「水晶体囊(すいしょうたいのう)」(前部は「前囊」、後部は「後嚢」)という透明な膜に包まれ、内側に向かって幾重もの細胞や皮質がタケノコの皮のように被さっています。その中心部には「核」があります。

水晶体は、近くを見るときは厚くなり、遠くを見るときは薄くなります。そうやって光の屈折具合を調節し、ピント(焦点)が合った状態でものを見られるようにしているのです。ちなみに「ものがはっきり見える」と感じるのは、このピントがぴったり合っているからです。

つまりレンズである水晶体は、カメラでいう「ピント調節」の機能も果たしています。ただし、自分だけの力で厚くなったり薄くなったりすることはできません。

水晶体の外縁の部分は「毛様体(もうようたい)」という部分が取り囲んでおり、そこから「チン小帯(しょうたい)」という網目状の繊維組織が伸びて毛様体と水晶体の間を結びつけています。

例えていえば、水晶体がハンモックで、ハンモックの紐をかける木の部分が毛様体、ハンモックの紐の部分がチン小帯というイメージです。

水晶体の厚みは、筋肉である毛様体が収縮したりゆるんだりして、それにチン小帯が連動することによって変化します。

ですから目のピント調節は、水晶体と毛様体とチン小帯の協力のもとで行われているのです。

さて、水晶体の部位でピント調節が終わると、光は次に「硝子体」の部分に入っていきます。水晶体の後ろ(奥)に位置する硝子体は、約99%が水分でできた無色透明の組織です。ゼリー状の半流動体ですが、この硝子体が内圧を維持し、眼球の形状を丸く保っています。

硝子体を通った光は「網膜」に到達して像を結びます。網膜は眼球壁の最も内側にある透明の膜で、硝子体と接しています。その役割は、カメラでいえば「フィルム」です。内部に視細胞等が分布しており、結んだ映像を信号化して脳の視覚中枢に伝達します。そうして人間は脳で「見えた」と感じるのです。

藤本雅彦

医療法人敬生会フジモト眼科 理事長兼院長

藤本 雅彦

最終更新:7/27(土) 7:00
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