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「覚せい剤中毒者を火葬にすると黒い骨になる」は本当!? 葬祭系YouTuber主宰が語る「遺体と火葬の本当の話」

7/27(土) 17:30配信

HARBOR BUSINESS Online

死産児の火葬が早朝に行われる理由

佐藤:しかし、これにはちゃんとした理由があります。火葬のバーナーの火力は最新型のものだと50万キロカロリーに達します。ものすごい火柱が上がるような、プロ仕様の中華料理のガスバーナーが5万キロカロリーですから、その10倍です。それぐらいの火力がないと、人間をお骨にすることはできないのです。

 しかし、赤ちゃんの場合、成人を想定して作られた火力で焼くと、骨が残りません。そこで、火葬炉の温度が上がっていない朝一番に火葬することが多いのです。

 他方、腐乱したご遺体の場合、棺から臭気が出て周りの共有スペースに漂ってしまうことがあります。もちろんなるべく臭いが出ないように処置をするのですが、それでも防げないことがあります。そのため、火葬炉が空いている朝一番などに火葬することが多いのです。

 このように、火葬の時間帯はそれぞれ異なる理由から決まっています。しかし、単に時間帯が一緒だというだけでデマが作られてしまっているのです。

 その他にも、残骨灰(遺体を火葬し、収骨したあとに残る骨や灰などのこと)が農業用の肥料として使われているとか、石膏ボードになっているといったデマも流れています。

 しかし、ご遺体は副葬品など様々なものと一緒に火葬されるので、残骨灰には有毒物質が多く含まれています。肥料として使われることなどありえません。残骨灰は業者によって適切に処理され、最終埋葬地に運ばれることになっています。そこできちんと供養もされています。

 遺族にとってお骨はかつて家族だったものではなく、形を変えた家族そのものです。家族にとっては我が身の半分と言っていいと思います。だからこそ、お骨が粗末に処分されているのではないかと心配になり、デマに踊らされてしまうのだと思います。みなさんには是非、そのような心配はないということを知ってもらいたいと思います。

葬儀不要論の背景

―― 最近では葬儀不要論のような議論も行われるようになっています。これについてはどのようにお考えですか。

佐藤:まず前提として、日本では信仰の自由が保障されているので、どのように考えるのも自由だと思います。その上で話を進めますが、この手の議論には「合理的」という言葉が頻繁に登場します。「合理的に考えれば葬儀は不要だ」というわけです。

 しかし、人間は合理的なことばかりやっているわけではありません。そんなことを言うならば、人生の節目でお祝いをする必要もありません。それでも多くの人たちがお祝いをするのは、お祝いをやったほうが心が休まるからです。

 葬儀も同様です。深い悲しみの中にいる人にとっては、合理的でなくとも葬儀やお墓の存在はとても重要です。お子さんを亡くしたご両親の前で、「お葬式やお墓は無駄だからいらない」と言えるでしょうか。

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最終更新:7/27(土) 17:30
HARBOR BUSINESS Online

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