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「プラ製ストロー」はなぜやり玉にあがるのか

7/28(日) 5:20配信

東洋経済オンライン

 東証1部上場で石炭事業が主力の三井松島ホールディングス傘下に日本ストローという会社がある。年間約55億本ものストローを生産し、飲料パックなどに付いている伸縮ストローで国内シェア約65%のトップメーカーだ。

【グラフ】廃プラの1割強は輸出に回っている

 最近はタピオカドリンクブームを背景に数量を伸ばしているが、世界的に進む「脱プラスチック」の動きが経営に影響するのではないかと懸念されている。

■ストローが「脱プラ」の象徴になったわけ

 ストローは脱プラスチックの象徴となっているが、ポイ捨てなどによって海洋に流出するプラスチックごみは世界で年間約800万トンにのぼるが、そのうちストロー由来のものは0.1%未満にすぎない。それでもストローが脱プラの象徴となった理由は2015年にネットで公開されたある動画がきっかけだ。

 動画には鼻にストローが刺さったウミガメからストローを引き抜く痛々しい姿が映し出されており、脱プラの機運を高めるきっかけとなった。その後もストロー業界における脱プラの勢いはとどまるところを知らず、紙ストロー需要が急増している。日本ストローの稲葉敬次社長は「(昨年秋ごろは)紙ストローがあればいくらでも買うと問い合わせがあったほどだ」という。

 しかし、同社はこれまで紙ストローの生産に消極的だった。プラ製ストローとは製法が異なり、プラ製ストローで培ったノウハウを生かすことが難しいからだ。原料であるプラスチックの一種、ポリプロピレンを熱して成型するのがプラ製ストローだが、紙製ストローは3枚の紙を編み込んで作るため、製造方法はまったく異なる。

 だが、問い合わせが多いことを踏まえ、今秋から紙ストローの生産に踏み切る。

 同社は紙ストロー以外にも生分解性プラスチックを使ったストローなど幅広い製品をそろえる。当然、老若男女が使うストローの安全性を高い水準に保つことは絶対の条件だ。例えば子どもがストローの口の部分を噛んで潰してしまっても問題なく使えなければならない。

 先に述べた生分解性プラスチックは一定の環境下で分解される特長がある反面、コスト高で成型がしにくい。日本ストローはこれまでも乳業メーカーや飲料メーカーに対し、生分解性ストローを提案してきた。しかし、「お客様の反応は今ひとつ」(稲葉社長)だった。

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最終更新:7/28(日) 12:11
東洋経済オンライン

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