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おいしい証拠? それとも農薬? ブドウの表面に付いた「白い粉」の正体とは

7/29(月) 6:40配信

オトナンサー

「ブドウの表面に付いている白い粉」の正体について先日、ネット上で話題になりました。ブドウは、毎年7月ごろから店頭に並び始めますが、果実の表面が白っぽくなっているものを見かけることがあります。この「白い粉のようなもの」が付いているブドウは「おいしい」とされ、「いつも白っぽくなっているものを選ぶ」という声がある一方で、「カビか農薬だと思って必死に洗っていた」「正直ちょっと不安」「風味への影響が気になる」など、安全性や風味を疑問視する声もあるようです。

 ブドウの表面に付く「白い粉」の正体について、料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。

脂質から作られた天然のろう物質

Q.ブドウの表面にみられることがある「白い粉のようなもの」の正体は何でしょうか。

関口さん「『ブルーム』と呼ばれる、果実に含まれる脂質から作られた天然のろう物質が表面に出てきたものです。果粉(かふん)とも呼ばれ、ブドウ以外では、リンゴ、キュウリ、スイカ、プラム、ブルーベリーなどにも現れます」

Q.なぜ、粉が吹くことがあるのですか。

関口さん「植物の表面には、『クチクラ』という、植物自体の脂質から作られた皮膜があります。クチクラの英語読みは『キューティクル』で、生物の体表を覆う丈夫な膜のことをいいます。クチクラは、雨や朝露などの水分をはじいて細菌の繁殖や病気を予防したり、水分の蒸発を防いで新鮮さを保ったりする働きがあります。また、これにより、温度や湿度など環境の変化にも対応できるようになっています。

クチクラは『クチン』という成分で構成されており、水分や脂質が移動できる微細な隙間があります。クチクラの内部にあるろう物質が多く分泌されると、無数の針状になって隙間から表面に押し出され、ブルームが作られます。例えばリンゴの場合、皮にブルームが出るものとテカテカと光っているものとがありますが、ろう物質が針状にならずに溶け出すとテカテカして見えたり、ベタついたりしてきます。

ちなみに、ろう物質の分泌が少ないものもクチクラ自体に守られているので、水分を弾いたり病気を予防したりするなどの防御機能は問題ありません」

Q.粉が吹くことによって、風味・栄養に何らかの影響や変化はありますか。

関口さん「粉が吹いているのは新鮮な証拠です。しっかりブルームが出ているものは、よく熟した『食べ頃の印』でもあり、丁寧に扱われて人の手が触れる機会が少なかった証しでもあるため、市場価値が高まるようです。果実をしっかり守るブルームが全体を覆っているものはみずみずしく、風味や栄養もよい状態だといえます」

Q.おいしいブドウを見分けるポイントはありますか。

関口さん「粒がそろって、果実に張りがあるものを選びましょう。また、巨峰なら黒色、マスカットなら緑の色味が濃いものなど、品種それぞれの色とブルームがしっかり出ているものがよいです。収穫時は枝が緑ですが、時間がたつと茶色くなるので枝の色もチェックしてみてください」

Q.ブドウの適切な保存方法を教えてください。

関口さん「常温の場合はできるだけ冷暗所に置き、一房ずつポリ袋に入れるか、新聞紙に包んで保存すると2~3日は日持ちします。冷蔵の場合は、同じく一房ずつポリ袋か新聞紙で包み、野菜室で保存すると5日程度は保存できます。さらに保存状態を高めるためには、房から5ミリ程度の枝をはさみで切り離し、さっと水洗いしてからポリ袋に入れて、野菜室で保存しましょう。

果実を切り離すことで、枝に水分や栄養を持っていかれるのを防げます。また、少し枝を残しておくことで、付け根の部分が悪くなりにくくなります。この方法で、1週間程度保存できます」

Q.ブルームについて、ホコリやカビ、農薬などと勘違いし、口にすることを不安に思うなど「誤解」している人も少なくないようです。

関口さん「先述の通り、ブルームは果実や野菜の中に含まれる脂質から作られた『天然の皮膜』です。鮮度のよさを示す物質でもあるので、安心して召し上がってください。ブルームがしっかり出ているものは、皮が薄く、みずみずしいものが多いです。さっと水洗いすると水をはじきますが、無理に洗おうとしなくても、そのまま食べることができます。

ブルームが誤解されたことがきっかけで品種改良された野菜に、キュウリがあります。ブルームがないキュウリは皮がしっかりしていて身が柔らかいものが多く、ブルームが出ているものは皮が薄くて実がシャキシャキしているようです。お好みで選ぶとよいでしょう」

オトナンサー編集部

最終更新:7/29(月) 12:45
オトナンサー

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