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私の中で広輔は、鳥谷にかぶる部分があるんです/新井貴浩コラム

7/31(水) 11:05配信

週刊ベースボールONLINE

継続して努力できる男

 カープは交流戦から苦しい戦いが続いています。しかし、そういうときほど、みんなには感謝の気持ちを忘れないでほしい。カープは家族です。強い絆を胸にチーム一丸となって、この逆境を乗り越えてほしいと思います。

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 この連載では現役選手の話もしていきます。前回は石原慶幸選手でした。今回は、田中広輔選手にエールを届けることにしましょう。私が2015年にカープに帰ってきたころから遊撃で不動のレギュラーとなった広輔ですが、今季は苦しいチームを象徴する選手の1人になってしまっていますからね。

 広輔がカープに入団したのは14年。当時、私はタイガースでしたが、「いい遊撃手が出てきたな。この子がカープの次の遊撃手なんだ」と思っていました。

 カープに戻ってからは、同じ内野手だったこともあり、練習など一緒に過ごす時間が多くありました。食事もたびたび行っていましたね。普段からいろいろな話をしていましたが、広輔のバッティングの調子があまりよくないときなどはアドバイスを送ることもありました。

 アドバイスと言っても、いいときと比べての変化を教えてあげるだけです。「もう少しこういうふうにタイミング取っていたよ」とか「今こんなふうになっているけど、自分ではどう?」といった具合ですね。

 選手というのは、常に成長していくために、少しずつ新しいことをやっていきますが、そのときに無意識のうちに自分のいいところまで消えてしまうことがあります。だから、一声かけて気づかせてあげることで、いいところはそのままに成長することができます。

 広輔は真面目な選手です。堅実で、コツコツと練習をするタイプ。私がカープに戻ってきた当初、広輔の課題と言えば「守備」でした。捕るほうよりも、どちらかと言うと投げるほうが今ほど安定してなかった。でも、コツコツと努力を継続できる選手なので、16、17、18年と、どんどんと上達していって、18年にはゴールデン・グラブ賞を獲得するまでになりました。

 私の中では、鳥谷(鳥谷敬、阪神)にかぶる部分があるんですよね。鳥谷もプロの世界に入ってきたときは(私はまだカープにいたときでしたが)、決して守備がうまいと言われるほうではなかった。送球にミスが多くてね……。でも、鳥谷もコツコツと継続して努力できる選手でした。そういう才能があるから、少しずつ結果が出て、ゴールデン・グラブ賞を獲るまでになりました。15年だったと思いますが、広輔と一緒にオールスターに出たときに、鳥谷も選ばれていたんです。だから、広輔に「鳥谷はもともと守備がうまかったわけじゃないんだ。でも、いろいろと考えながら、コツコツと努力を重ねて、ゴールデン・グラブ賞を獲るような、名手と呼ばれるような選手にまでなったんだよ」という話をしました。そして、「鳥谷に、練習のときの意識など遠慮なしに聞きに行ったほうがいいぞ」とアドバイスしたんです。その後、いろいろと質問して、たくさん勉強になったようでした。

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最終更新:7/31(水) 11:05
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