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熱波へのたった1つの対処法

8/1(木) 12:11配信

WIRED.jp

欧州を6月下旬に襲った猛暑は、まるで気候変動の“緊急警報”のように感じられるものだった。フランスの南部では気温が約46℃に達して記録を更新し、カリフォルニア州にある砂漠のデスヴァレーのほうが涼しかったほどだ。

本当に体温を下げてくれる食べ物

その暑さも収束し、この時期として平均的な気温といえる30℃前後に戻るにつれて、別の警告が浮かび上がってきた。現代文明は、猛暑に適応し、猛暑から身を守る必要があるということだ。

とりわけフランス人は、極端な高温がどれだけ命とりになるかを認識している。03年にのヨーロッパ熱波では猛暑が2週間近く続き、フランスで約15,000人、欧州全体では約70,000人が死亡したと推定されている。これと比較すれば、6月の猛暑はわずか4日間にすぎない。

今回の猛暑による超過死亡率(猛暑の影響で亡くなったとみられる人の比率)を関係機関が報告するまで時間が必要になるだろう。だが、いずれにしても冷房の効いた公共施設などのクールスポットやミスト発生装置をはじめとする予防策によって、深刻な事態は避けられたようだ。

暑さへの対抗策として身体で起きること

人間の身体には、熱に耐え、深部体温を正常な温度から数℃以内に保つメカニズムがある。だが、それでも多少の手助けが必要だ。

夏の陽射しが照り付けて気温が上昇したときに、身体に何が起きるかを説明しよう。

皮膚の近くにある血管が熱によって温められ、その温まった血液が身体の深部に移動して体温が上がる。これによって、身体の冷却システムである体温調節プロセスのスイッチが入り、身体は汗をかき始める。ペンシルヴェニア州立大学で生理学と運動生理学を研究しているレイシー・アレクサンダー教授は、「汗をかくことは人間の最も大きな放熱手段です」と説明する。

しかし、湿度が高くて汗がぽたぽた落ちるような場合は、汗が蒸発しないため、必要な冷却効果が得られない。そうなると、心臓の鼓動が速くなる。より多くの血液を皮膚のほうに送り出すことで、身体の深部に蓄積される熱を押し出そうとするのだ。皮膚も赤くなる。

年をとると、たとえ健康な人であっても血管が効果的に膨張しない場合がある。熱によって余分なストレスが心臓にかかることは、慢性の健康障害がある人々にとっては危険な状態になる。利尿薬のほか、高血圧や狭心症の治療に使われるβ遮断薬、抗鬱剤などの薬物は、熱に対する身体の対処をさらに難しくする。

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最終更新:8/1(木) 12:11
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