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文在寅は自分が見えていない…深刻化する日韓対立の厳しい現実

8/1(木) 6:01配信

現代ビジネス

米国は動く意味がない

 徴用工問題で、韓国の原告側は、日系の企業から接収した資産(特許権等)の売却手続きを粛々と進めている。一方、日本政府は半導体製造のための材料・部品3品目の対韓輸出手続きをこれまでより細かくし、更に信頼できる輸出相手国としての「ホワイト・リスト」から韓国を外す準備を粛々と進める。

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 この対立は、対抗手段の投げ合いでどこまでエスカレートするかわからない。

 そして既に韓国は、2016年に米国が斡旋して苦労の末に結ばせた、日本との日韓秘密軍事情報保護協定(これがないと、米国は日本や韓国と機密情報の共有が難しくなる)破棄をちらつかせる等、安全保障面での日韓協力をご破算にする構えも見せている。

 米国は、慰安婦や徴用工のような人道問題では韓国の肩を持ちがちだし、安全保障面での日韓の対立は、米軍の韓国防衛を難しくする。

 朝鮮半島有事の際の在韓米軍は、日本の基地に置いてある兵員、兵器を動員することなしには機能せず、また補給物資の調達も日本をベースに行うことになる。そしてもし、朝鮮戦争の際の国連軍の枠内でオーストラリアや英国の兵力も加わって来るなら、それを指揮する国連軍司令部は今でも東京の横田基地に置かれているからだ。

 従って、米国は今回も日韓の対立にタオルを投げ入れ、日本に不利な方向で自重を求めてくるだろうか? 
 そうはなるまい。米国政府の韓国に対する気持ちは冷えているし、米民間からも日本を糾弾する動きは出てくるまい。そこがトランプ大統領時代の基本構図だ。

 日本は図に乗ってはいけないし、韓国も感情にまかせて突っ走らずに慎重に落としどころを考えるべきなのだ。

 では、順を追って説明したい。

文在寅は自分が見えていない

 7月19日、文在寅・大統領はトランプ大統領に電話をし、日本の対韓輸出管理強化を「告げ口」し、支援を求めた。韓国はそれに先立って、担当の役人を米国に派遣、日本非難の合唱をワシントンで上げさせようと目論んだ。

 慰安婦問題で、米下院は日本非難の決議をしたことがあるし、2015年慰安婦への補償問題が激化して、韓国政府が設立した財団に日本が10億円ほどの予算を拠出し、安倍総理が日本国の首相として、心からおわびと反省の気持ちを表明した際にも、ケリー米国務長官はこれを歓迎、この日韓合意は慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的」に解決するものだと強調する等、レフェリー然とした発言をしている。

 しかし、トランプは民主党政権のように人権問題に敏感ではない。

 しかも韓国は北朝鮮に「瀬取り」で石油を渡す等、制裁破りの行動を疑われているし、昨年10月には米側に協議することなく南北境界線の上空を飛行禁止区域にして、米韓軍事演習を大きく制約し、米側を激怒させている。米側の、韓国を防衛する意欲は萎えている。

 さらに米韓安保協力の唯一の対象である北朝鮮は、トランプが金正恩と「信頼関係」を築いたことで、敵性をすっかり減じている。米軍が韓国を守らなければならない義理も、必要性もどんどん薄れているのである。

 だが文在寅大統領は、自分のしていること、自分の国が置かれている状況の意味がわからないのだろう。お人好しの米国は今度も韓国の肩を担いでくれると思い込んで、日本のことをいろいろと告げ口しているのだ。

 案の定米国は、7月に日韓を訪問したスティルウェル国務次官補、ボルトン大統領特別補佐官双方とも、日韓対立をほぐすために来たのではなく、この問題についてはおざなりの発言でごまかした。

 19日、文在寅大統領の「告げ口」を聞かされたトランプ大統領も、「日韓双方から要請があれば手伝ってもいい」、つまり友人の安倍総理から何も言ってこないなら自分は動かないよ、ということを言っている。

 そして日韓秘密軍事情報保護協定破棄を示唆した韓国軍関係者は、米側からたしなめられているのである。

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最終更新:8/1(木) 8:55
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