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現代貨幣理論(MMT)とは~既に米国を支配したか

8/2(金) 8:15配信

幻冬舎ゴールドオンライン

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

【要約】

「現代貨幣理論(MMT)」は、元々、米国左派の経済学者が提唱し始めた理論で、「政府、とりわけ米国政府は、独自の通貨を発行しているのだから、決して破綻することはない」と主張しています。

その命題は、潜在成長および完全雇用の実現に向けた景気浮揚のためには政府支出の拡大が可能であるということです。MMTは、米国の政府支出は上限に達していない、従って、政策金利をゼロ%に引き下げ、経済により多くのマネーを注入する余地、というよりは必要性があると主張しています。

MMTは、特に財政赤字に対する視点を変えるよう提案しています。MMTによれば、政府の資金調達手段は税収ではありません。政府は支出によってマネーを創造し、また、国民の納税の手段である通貨を創造するからです。MMTは、中央銀行と財務省の機能の統合を間接的に主張しているのです。

MMTは、設備稼働率が上限に達した場合にはインフレ率が上昇し、拡張的な財政支出と金融政策に制約がかかる可能性があることを理解してはいるものの、どのような時に制約が作動するかについては明らかにしていません。MMTは、必要があれば、増税を通じて、市中に流通するマネーを回収することが可能であると主張していますが、そのような増税が政治的に実現可能かどうかは疑問だとの批判も散見されます。

財務省と中央銀行の機能の統合も疑問視されています。中央銀行は、独立性と「健全なマネー」の監視役としての権利を失うことになるからです。MMTの信奉者は、現行の金融政策を続けることが、デフレと「日本化した経済」の状況に経済を陥れるリスクになると反論しています。経済政策は、もっと大胆であるべきだというわけです。

MMTは、米連邦準備制度理事会(FRB)にも主流派の経済学者にも受け入れられていませんが、FRBが、再び利下げに転じ、議会が放漫財政を続ける結果、財政赤字や連邦政府債務が膨らむ中で政治家の支持を密かに増しつつあるようです。

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最終更新:8/5(月) 17:45
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