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ウチのマンション修繕できる? 積立金が不足する理由

8/4(日) 7:47配信

NIKKEI STYLE

全国に約654万戸あるマンションで大規模修繕に備える積立金の不足に悩む例が増えている。国が初めて実施した調査で約3割が積立金が不足していると回答。余裕があると考えるマンションも見通しは厳しい。将来、家計の重荷にならないよう管理組合の場で早めに対策を考えたい。
「金額を引き上げたいが、反対者が多くて困っている」。6月末、東京都内で開かれた修繕積立金に関するセミナー。関東地方にあるマンションで管理組合の理事を務める男性が声を上げた。修繕費用の見通しを精査したところ、積立金が不足する恐れがあるとわかった。管理組合の会合で話し合ったが意見がなかなかまとまらないという。
修繕積立金の不足を訴えるマンションが増えている。国土交通省は5年に1度まとめるマンション総合調査の最新版(4月末発表)で初めて、積立金過不足の質問を追加。現在の積立額が計画に比べて不足するマンションが全体の35%に上った(図A)。

■工事費が高騰

理由の一つは修繕工事費にある。アベノミクスが始まった2012年頃から人手不足を背景に高止まりする。冒頭のセミナーを主催した、さくら事務所(東京・渋谷)の土屋輝之マンション管理コンサルタントは「12年の水準に比べて2~3割高い」と話す。
工事費が東京五輪の後に下落に転じるとの期待から修繕を先送りしてきた物件もあり、「その分が21年ごろに集中すれば工事費は一段高となりかねない」(土屋氏)。国交省調査では積立金に「余剰がある」との回答が34%あるが、コスト増要因を十分に反映していない可能性がある。

修繕積立金の集め方にも問題があるとされる。積立額を当初低めに設定し、数年後から増やしていく「段階増額式」を採る物件が最近目立つ。以前は金額を一定とする均等式が主流だったが、マンション価格の上昇を受けて不動産会社などが、買い手の当初の負担感を和らげようと段階式を用いる例が増加。国交省調査によると10年以降に完成した物件の68%が同方式だ。
途中で積立額を増やすには事前に予定があってもその都度、所有者による決議が必要になるのが原則だ。冒頭の例のように決議は難航することが多く、合意できないうちに積立金不足に陥りかねない。

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最終更新:8/4(日) 12:15
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