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西ゆり子流 できる女の仕事服、全身のバランスを計算

8/4(日) 10:12配信

NIKKEI STYLE

■毎回が「勝負」のスタイリング

どんな役であっても、人柄がにじみ出る。存在感があり、自信やオーラがみなぎるように。ドラマのスタイリングで求められる要素だ。でも、それだけではない。「台本や監督の演出の意図に沿ってコーディネートする必要がある一方で、役者側にも『こういう服が着たい』との思いがある。両者が合わないこともしばしば。大物俳優になればなるほど、その傾向が強くなる」とは、「時効警察はじめました」の大江達樹・テレビ朝日プロデューサー。だから難しい。

西さんの担当する現場は違う。「今回は西さんがいるから」と、専属のスタイリストをつけない女優も多い。演じ手にも、演出者からも厚い信頼が寄せられる。「作品に向き合い、監督や役者の意向をくみ取ったうえで、時には監督に進言したり、役者さんを説得するなど、必ず着地点を探してくれる。ファッションセンスに加え、オリジナリティー、プレゼンの能力といったプラスアルファがある」。大江プロデューサーはその秘密を分析する。
西さん自身はドラマスタイリストを「台本を読み解き、ファッションで役の人間性を表現するプロフェッショナル」と表現する。いざスタイリングに臨む際には「毎回毎回が勝負」と心に刻む。「本人のものになっていない」「服に着られている」と感じれば、用意しておいた衣装でも似合わないと伝え、脱いでもらっている。

「服が自分のものになっている」ことと「なっていない」こと。私たちにもヒントになりそうだ。2つを分ける基準とは何なのか? 返ってきた答えは「全体のバランス」。「バランスが悪いとパンツスタイルは足が短く見えてしまう。タイトスカートだとすごくヒップが大きく見える。でも、スカートをマーメイドラインにするだけで、キレイにみえることがある」。一人ひとり体形は異なる。足元の靴を含めて全身のバランスを計算し、コーディネートする。出演者が控室のドアを開けた時、周囲が歓声を上げる瞬間こそ「真剣勝負で勝った」と実感できるのだという。

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最終更新:8/4(日) 12:15
NIKKEI STYLE

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