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「まさかうちに限って…」親の死後、養子の存在が判明した事例

8/5(月) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

相続における予想外の出来事のひとつに、「養子の発覚」があります。自身が亡くなったあと、「争続」が起きないためにも、「家族関係の秘密」は思い切って明らかにすることが大切です。そこで本記事では、北村税理士事務所代表の北村英寿氏が、実際に経験した相続トラブルの事例を紹介します。

養子も法定相続人…養子の存在はあらかじめ伝えておく

「まさかうちに限ってそんなこと、あるわけないと思っていた」

相続における予想外の出来事に、「養子の発覚」があります。事前に被相続人が相続人にしっかり伝えておかなければ、相続税対策に大きな穴が空いてしまいます。

私が担当した案件でもありました。85歳のAさんには一人娘のBさんがいました。Aさんが亡くなったあと、Bさんは相続のため戸籍謄本を取り寄せたのですが、そこでもう一人、実子の娘がいたことが判明したのです。親戚に尋ねると、どうやらその子は生まれると同時に養子に出されたそうです。Bさんは何も聞かされていなかったので、まさに寝耳に水。

それでも記憶をたどっていくと、「そういえば、小さいころ、よく家に遊びに来ている子がいました。きっとあの子がそうだったんですね……」と、その子の存在がうっすら蘇りました。私がその養子に連絡をとり、話を聞いたところ、彼女は自分が養子であることや相続権があることを知っていました。

しかし彼女は、相続を放棄しました。養子に出された先が資産家だったこと、成長して自身も資産家に嫁いだことなどが放棄の理由です。結局、Aさんの財産はBさんが1人で相続することになりました。

当然ながら、養子がいたとわかると、「まさかうちに限って……」と、誰もが驚きます。しかし、実は、戸籍謄本を取り寄せて養子の存在が判明することは珍しくありません。

昔は、商売人や資産家の家に子が生まれないと知人がその家へ子を養子に出したり、子に恵まれない夫婦に親戚が自分の子を養子に出したりと、養子縁組は珍しいことではありませんでした。家族の形は、時代によっても変わるのです。

とはいえ、相続となるとそれだけでは済みません。養子には相続権がありますから、もし養子に出した、養子をもらったことを伏せたまま被相続人が亡くなってしまうと、残された実子と養子で遺産分割協議を進めなければならないのです。連絡がすぐにとれればいいのですが、なかなか連絡がつかないとなると、あっという間に時間が経っていきます。相続発生後の10カ月では足りるかどうか怪しいときもあります。

連絡がついて会えたとしても慌てて話し合うのではうまくいきませんし、後々に判明すれば今まで講じた対策は水泡に帰してしまいます。本格的な相続税対策に入るためにも、こういった前提は必ず相続人に伝えておいてください。それだけで、起こらなくてもいい問題が起きずに済むのです。

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最終更新:8/5(月) 8:00
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