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尾原和啓 「信念」の暴走を防ぐ方法

8/5(月) 10:19配信

日経doors

皆さんは、働く上で大切にしている「信念」って、ありますか? 仕事の進め方や、相手に対する接し方……きっと多くの人が、自分なりのこだわりを持って、日々一生懸命に取り組んでいるのではないでしょうか。でも、それが時としてマイナスな感情に変わってしまうこともあります。世界を舞台に、さまざまな人と仕事をしてきた尾原さんに、自分の「信念」と上手に付き合う方法を聞きました。

【関連画像】信念がぶつかり合う状況に、どう対応すればいいのか

 仕事相手に対して、つい感情的になってしまった経験はありませんか? ふと冷静になると、自分でも「どうしてこんなにも怒ってしまうのだろう。許せないという感情が湧いてくるのだろう」と疑問に思えてきます。やがては「そもそも私って正しさを振りかざし過ぎ?」などと考え出し、自己嫌悪に陥ってしまうこともありますよね。

 少なくとも僕が見聞きしてきた限り、仕事に対して真面目で、かつ正義感が強く、信念を持って突き進むタイプの人ほど、一度「許せない一線」を越えられてしまうと、怒りを抑えられなくなりがちです。精力的に活躍する人ほど、感情に溺れてしまうケースはよく見られるのです。

 なぜこういうことが起きるのでしょうか。

●「価値観」というフィルターの存在を自覚しよう

 そもそも人は、目の前の物事に対し「自分の価値観」というフィルターをかけて見ています。

 例えば、動物が大好きで、保護したい気持ちを持っている人にとって、毛皮のコートを着た人は決して好ましく見える相手ではありません。体質的に肉を食べられない人からすれば、いわゆる「普通」の食事をしている人というのは、まるで宇宙人みたいに見えているかもしれません。このように人は、それぞれに全く違う景色を見て生きているものです。

 ただし、例え自分の価値観からは外れていても、隣でステーキを食べている人に対して「それは間違っている」と突然声を荒らげる人はいないでしょう。なぜなら、もし自分の価値観や生理とは合わない行為があったとしても、それが自分の「個人的な領域」を侵さないものであれば、たいていの場合「人は人、自分は自分」と考えて処理することができるからです。

 ところが、曲げられない「主義」や「信念」が互いにぶつかり合う状況になってくると、なかなかそうはいきません。特に仕事の場においては、「こうあるべきだ」という感情が、強く前に出てくるものです。なぜなら、人が持つ「信念」とは、その人が仕事を頑張る上での、さらに言えば生きていく上での、大事な「心のエンジン」でもあるからです。

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最終更新:8/5(月) 10:19
日経doors

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