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100km/h巡航が正解じゃない? 本当に燃費のいい走行速度と現実問題

8/6(火) 6:20配信

WEB CARTOP

メーカーエンジニアは60km/hが燃費に優れるともいうが……

 夏休みなどバケーションの季節になると高速道路をロングドライブする機会も増えてくる。高速走行となると、少しでも燃料代を抑えられるよう燃費運転を意識してしまうというユーザーも少なくないだろう。

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 燃料代を抑えることができれば、目的地でご当地の名物を味わう予算が増えたり、もっと遠くまで行けたりするかもしれない。では、高速走行で燃費を稼ぐのにちょうどい巡行速度というのはあるのだろうか?

 よく言われることだが、空気抵抗は速度を上げるほど増えていく。正しくは「空気抵抗=空気抵抗係数×前面投影面積×速度の二乗」によって空気抵抗は導かれるのだが、この中で変動するのは速度だけなので、速度による影響が大きいのだ。しかも速度の二乗となっているのがポイントだ。80km/hと100km/hという数字だけを見ると大きく差がないように思えるかもしれないが、それぞれ二乗すると6400と10000である。どれだけ空気抵抗が異なるのか理解できるだろう。

 つまり一般論として、高速走行時のスピードは落とすほど空気抵抗を小さくでき、省燃費につながるといえる。だからといって高速道路の最低速度である50km/hで走ればいいというわけにはいかない。自動車メーカーのエンジニアに聞くと「60km/hが航続距離をもっとも伸ばせる」ともいうが、周囲に迷惑をかけない範囲で燃費に有利な速度をキープすることが肝要だ。

現実的には大型トラックのリミッター速度90km/hが「ベター」か

 では、そうした燃費に最適な巡行速度だが、現実的に目安となるのは90km/hだろう。どんなに流れている高速道路であっても、かならずその速度で巡行している“ペースメーカー”となるクルマがいるからだ。それが速度リミッターのついている大型貨物車だ。本来、80km/hの制限速度となる大型トラックなどには90km/hで作動するリミッターがついていて、その速度で巡行していることが多い。

 リミッター目いっぱいで走っているということは速度のバラつきもないという意味で、乗用車サイドとしてはペースメーカーとするのに最適なのだ。もちろん、機械的には90km/hがベストの巡行速度というわけではない。現実的な解としてベターな目標値というに過ぎない。

 とはいえ、普遍的に燃費に最適な速度があるかといえば、答えはノーだろう。パワートレインの特性はエンジン排気量や過給機の有無、トランスミッションのレシオカバレージなどクルマごとに異なるからだ。基本的にはMTやATの場合は、もっとも高いギヤで、さほどアクセルを開けていない状態で維持できるのが燃費に最適な速度の目安となる。多段ATの中には100km/hを超えた領域で初めて一番高いギヤに入ることもあるが、その場合は意外にひとつ下のギアのほうが燃費はよかったりする。

 またCVTの場合は同じ速度であっても加速モードと巡行モードでは変速比やエンジン出力も変わってくる。そのためたとえば80km/h巡行であっても、いったん80km/h+αまで加速してそこから巡行モードに移ったほうが燃費によかったりすることもあるのだ。

 いずれにしても、ケースバイケースだが、瞬間燃費計を表示してその数字が最大になるような走らせ方をしていけば、そのクルマごとの燃費に最適な巡行速度は見つかるはずだ。なお、アクセルペダルを少ししか踏んでいないつもりでも、実際には走行抵抗などを加味してスロットルバルブの開度は決まっていたりするので、アクセル開度と速度の関係だけでは燃費ベストの速度は見つけられない。瞬間燃費の表示を優先して考えるべきだ。

 その場合、人間がアクセル操作をするとバラつきがでやすいので、ACCではない速度を一定に保つクルーズコントロールを利用して速度と瞬間燃費の関係を調べていくと、自分の愛車における燃費に有利な巡行速度が見つけやすい。

山本晋也

最終更新:8/16(金) 17:03
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