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112歳の魚を発見、淡水魚の長寿記録を更新

8/6(火) 17:41配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

「釣り弓」で人気のビッグマウス・バッファロー、米国

 寿命が100年を超え、大概の人間より長生きするであろう動物のリストに、吸盤状の口を持つ大型の魚が加わった。

ギャラリー:地味と言わないで!こんなに豊かな淡水の生き物たち 写真16点

 放射性炭素年代測定法を利用した最新の研究で、なんと112歳のビッグマウス・バッファロー(Ictiobus cyprinellus)がいたことが判明した。論文は5月29日付けで学術誌「Communications Biology」に発表された。これまで知られていたこの種の最高年齢は26歳なので、一気に4倍以上も記録を更新したことになる。

 ビッグマウス・バッファローは北米原産の淡水魚で、主に米国北部とカナダ南部に生息、大きいものは体重35キログラム近くになることもある。約1万2000種いる硬骨淡水魚の中で、年齢が確認された最高齢の魚になった。

「100歳を超える魚? それは大変なことです」と言うのは、米ルイジアナ州にあるニコールズ州立大学の助教授、ソロモン・デイビッド氏だ。氏は今回の研究には参加していない。

 近年、年代測定技術の進歩により、多くの種の魚がこれまで考えられていたより長生きであることが判明している。例えば、北大西洋に生息する大型のサメ、ニシオンデンザメは270年以上も生きられる。魚の生態を考える上で年齢は基本的な要素だ。しかし、いまだにほとんどの種の魚で寿命はわかっていない。

耳石と放射性炭素で年齢を推定

 論文の著者らには、年代測定を始める前から、ビッグマウス・バッファローは考えられているより長生きではないかとの予感があった。

 研究チームは、主にボウフィッシング(弓を使う魚釣り)で釣られた386匹のビッグマウス・バッファローから耳石を取り出し、薄くスライスした。耳石は炭酸カルシウムでできた薄い板状の小さな組織で、体の平衡感覚を保つ働きがある。耳石には木の年輪に相当する「輪紋」という層が形成される。研究者らは顕微鏡を使って、耳石に見られる輪紋を数え、魚の年齢を推定した。すると、この魚の寿命は80年から90年以上にもなるという結果が出た。

 研究のリーダーであるアレック・ラックマン氏が初めてこの数字を見たときのリアクションは、「そんなはずはない!」だった。

 この意外な推定年齢を検証するため、米ノースダコタ州立大学の大学院生であるラックマン氏と同僚は、核実験の影響を利用した放射性炭素年代測定法を用いることにした。これは、耳石のように時間を刻む組織に含まれる放射性同位体「炭素14」の量を、20世紀中頃の核実験で大気中に放出された炭素14の濃度と比較することによって動物の年齢を測定する方法であり、人間の遺体からサメまであらゆるものの年齢測定に使用されている。

 放射性炭素年代測定法による結果は、耳石の輪紋を数えて推定した年齢と一致し、この魚の推定寿命が80歳から90歳であることが確かめられた。

 100歳を超えるビッグマウス・バッファローが全部で5匹いたが、112歳という最高齢記録を打ち立てたのは、米ミネソタ州ペリカンラピッズの近くで捕らえられた重さ約10キログラムのメスだった。「成熟した個体としては、かなり小さいほうです」とラックマン氏は話す。

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