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「楽器の演奏」が、英語と理数系科目の成績を上げる

8/6(火) 12:14配信

WIRED.jp

学業成績と楽器の演奏には強い関連性がある

「音楽コースを専攻した学生のうち、音楽で高成績を収めたか音楽を長くやっていた学生は、すべての科目で試験のスコアが高くなりました。そしてこれらの関連性は、声楽よりも楽器のほうが顕著でした」と、ゴズアシス博士は指摘する。「長いあいだ楽器の演奏を習い、高校のバンドやオーケストラで演奏していた子どもたちは、試験の成績だけで判断すると平均的に英語・数学・科学のスキルは同級生たちよりも約1学年進んでいました」

つまり音楽のなかでも、ヴォーカルより楽器の演奏のほうが、数学・科学・英語の成績が高かったということだ。しかもこの関連性は3つの科目で一貫しており、性別、言語、社会経済的背景および7年生のときに実施された同様の試験の結果を踏まえても、顕著に現れたという。これらを考慮した理由は、ほかの要因が音楽的または学業的成績を決める決定的な因子ではないことを示し、“見かけの相関”を排除するためのものだ。

楽器の演奏には多方面のスキルを高める側面がある

これまで音楽が脳にもたらす影響を調べた多くの研究では、長年の音楽への関与──特に楽器の演奏が、認知力や脳の実行機能(Executive functions)を向上させることが明らかになっている。ゴズアシスは、ほかの国の社会や文化においても同じことが言えるかどうかはわからないとしながらも、この結果について次のような見解を述べている。

「楽器の弾き方の習得や合奏には多くを要求されます。楽譜の読み方を覚えたり、目や手と脳の協調性、また鋭いリスニング力も必要です。合奏のためのチームスキルや、練習習慣も身に付けなくてはならないでしょう。こうした学習経験はすべて、子どもの認知力と自己効力感を高める役割を果たしているといえます」

楽器の演奏は、多方面の能力に働きかけ、音楽以外でも発揮できる多くのスキルを培うのだろう。それは学業成績という側面においても、目に見えるような違いを生み出すことが明らかになったのだ。

研究チームはこの知見を踏まえ、学校教育における音楽教育の重要性を呼びかけている。この興味深い調査結果は、「Journal of Educational Psychology」で発表されている。

SANAE AKIYAMA

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最終更新:8/6(火) 12:14
WIRED.jp

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