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若い世代のテレビ離れで、政治家はアピール方法を考え直す必要性:英国

8/6(火) 19:16配信

ニューズウィーク日本版

──テレビをよく観ているのは65歳以上だが......

■ TVが1位、でも流れはニューメディアへ

英国では国民の半数近くが、ニュースは主にソーシャルメディア(SNS)から仕入れていることが、英国の通信・放送の監視団体OFCOMが行なった最新の調査で明らかになった。ニュースを知る方法としてはやはりテレビが最も多かった(75%)が、インターネット(SNSを含む)を挙げた人は66%、SNSと答えた人は49%に達した。ラジオは43%、新聞(紙媒体のみ)は38%だった。

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この数字だけを見ると、英国人がニュースを仕入れる媒体としてテレビが一歩リードしているように見えるが、テレビを選ぶ人の割合としては前年の79%から4パーセントポイント減少した。同様に、ラジオは前年の44%から、新聞は40%からそれぞれ後退しており、英国でニュース源としてオールドメディアを選ぶ人が減少していることがうかがえる。

一方でニュースは主にインターネットで読むと答えた人は、前年の64%から2パーセントポイント、SNSからと答えた人は前年の44%から5パーセントポイント、それぞれ増加したことになる。

しかし「公正だと思うニュースソースは?」という質問には、「雑誌」(タイムやエコノミストなど)という答えが最も多く(78%)、テレビ(62%)、ラジオ(61%)、紙の新聞(58%)と続き、SNSは最も少ない37%だった。

■ BBC58%“、フェイスブック35%

個別のプラットホームでは、英公共放送BBCのBBC1を挙げた人が最も多かったが(58%)、フェイスブックを挙げた人も多く(35%)、3位だった。2位は民放のITV(40%)。SNSの内訳としては、フェイスブック(73%)の他には、ツイッター(33%)、ワッツアップ(30%)、インスタグラム(28%)と続き、フェイスブックがかなり使用されていることが分かった。

とはいえ、フェイスブックはフェイクニュースの発信に使用されることが多いとして、これまで何度も問題になってきた。最近では今年5月に行われた欧州議会選挙でも、米非営利団体Avaazが調査を行なったところ、選挙の結果に影響しかねないフェイクニュースがフェイスブック内にまん延していたとの結果が出たと、ITに特化したニュースメディア米CNETが報じていた。

英国議会では昨年11月、9カ国が参加する国際公聴会を開いた際に、誤情報やフェイクニュースについて証言するようフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOに要請。しかし同氏が拒否したため、議会は妥協案としてビデオ会議での出席を提案したがこれも拒否されている。

■ TVを見ない世代、政治家は別アピールが必要か

オールドメディアを選ぶかニューメディアを選ぶかは、年齢によって違いが顕著に見られた。65歳以上がニュースを取り入れる方法として最も多かったのがテレビ(95%)で、インターネットが最も少なかった(40%)。16~24歳では、インターネットが最も多く(83%)、紙の新聞が最も少なかった(20%)。

テレビでニュースを見る時間については、年間平均で99時間(1日に換算すると約16分)だった。65歳以上だと年間平均204時間(1日約33分強)だったが、16~24歳だと年間平均17時間となり、1日に換算するとわずか2分強だった。

英ガーディアン紙はこの傾向について、若い世代のテレビ離れを指摘する。通常、テレビでニュースを見るのは、人気ドラマを見て、そのままチャンネルを変えずにいたところで始まる次のニュース番組を見る、という流れだと同紙は説明。しかし若い世代は、ネットフリックスなどで配信される番組を見ているため、必然的にテレビでのニュースを見なくなってしまったのだという。

すべてのプラットフォームをひっくるめて、最もよく見られているニュースはBBC1だが(58%)、このままニュースの視聴スタイルが変わると、政治の世界にも影響する可能性があるとガーディアンは指摘する。というのも、英国の政党は自分たちのメッセージを国民に伝える方法として、BBC1の夜10時のニュースを重要視してきた。このままテレビでのニュース視聴が減ると、政党は国民に語りかける方法を考え直す必要が出てきそうだ。

松丸さとみ

最終更新:8/6(火) 19:51
ニューズウィーク日本版

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