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『天気の子』の舞台裏とは? 新海組を支えるスタッフが語る

8/7(水) 12:54配信

キネマ旬報WEB

『雲のむこう、約束の場所』(2004年)以来、撮影や色彩設計として長年にわたり新海ワールドのビジュアルを支えてきたキーパーソン・三木陽子。今作では助監督として新海監督を全面的にサポート。さらにデジタル表現面での理想の追求に尽力するとともに、色彩設計として、「作品の世界観にあわせて、カットごとにキャラクターの色彩を決め込む作業」を担当している。セクションをまたいで新海を支える三木に、今作のデジタル表現を中心に話を聞いた。

―助監督としてすぐ傍でサポートされてきた三木さんから見て、今作での新海監督のこだわりはどこでしょうか。

三木陽子助監督(以下、三木):映像面では「曇り」と「雨」の表現が挙げられると思います。基本はこれまでの延長線上ですが、「天候の調和が狂っていく時代」が舞台なため、曇りや雨のシーンがすごく多いんですね。そうした中で、どう映像的に華やかに見せるか、そして降り続ける雨をどう表現するかについては、試行錯誤を繰り返しました。一口に曇りや雨と言っても、時間帯ごとに色合いも変われば降り方も様々です。私も色彩設計として、美術監督の滝口(比呂志)さんと一緒にウンウン唸りながら作っていました。

「曇り」や「雨」の表現へのこだわり

―曇りや雨の表現というと、『言の葉の庭』(2013年)が思い浮かびます。

三木:そうですね。特に『言の葉の庭』はフィニッシュワークも監督ご自身で手がけられていて、新海さんの映像面でのこだわり、目指す表現が詰め込まれた作品だと思います。今作でも、『言の葉の庭』を意識しながら詰めていったシーンがたくさんあります。

―具体的にはどのようにアプローチしたのですか?

三木:まず雨粒の表現をより魅力的に見せるために専門的に取り組む、李(周美)さんを中心としたVFXチームを立ち上げています。また作画チームとも、雨を表現するうえでどうセル分けするか、どうダブラシ(多重露光)処理をするかといった技術的な相談を事前にさせていただきました。撮影監督の津田(涼介)さんとも、たくさん登場する透明傘の処理のバリエーションを作ったり、水滴も単に青系で塗るのではなく、奥にある背景の色味も反映された表現ができるよう調整を繰り返したりしました。

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最終更新:8/7(水) 12:54
キネマ旬報WEB

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