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ロト高額当選者59%が仕事を即辞めるなか、1億円当てたシングルマザーは何に使った?

8/8(木) 8:10配信

ニューズウィーク日本版

──誰もが羨む高額当選者たちは、一体何に使った?

夏の風物詩、サマージャンボ宝くじの発表が来週に迫っている。くじを購入してから、あれやこれやと楽しい妄想は尽きないが、実際に当選した人は何に使うのだろう。英デイリーレコードが報じた、ロトで100万ポンド(約1.3億円)を手にした女性のお金の使い道が話題になっている。

■ 経済的に何の心配もいらないのが最高

助産師として働くシングルマザーのルース・ブリンさん(39)は、5年前の2014年7月、「ユーロミリオンズ・ミリオネア・ラッフル」という宝くじで、100万ポンドを当てた。ネットで購入した宝くじから、「当選」のメールが届いてからも数時間は信じられず、何度も番号を確かめた。

「だって2.5ポンド(320円)が当選しても300万ポンド(4億円)が当選しても、全く同じフォーマットのメールが届くんですから」と話すブリンさん。過去に少額の宝くじの当選経験があったため、最初そのメールが届いたことに対して、それほど興奮しなかったそうだ。

しかしながら、仕事の昼休み中に改めてメールの内容を確認し、自分の人生が一変したことに気付いた。「今でも信じられないし、本当に自分の強運に感謝しています」とその日を振り返る。

宝くじに当たったことで、これから経済的に何の心配もいらないと思えたことが、人生最高の気分だったと話すブリンさんは、同時にメディアの取材を受ける可能性をすぐに考え、きちんとした対応をしなくてはならないと思ったそうだ。

「私の唯一の願いは、ジミー・チュウの靴を買いたいと思っていただけだった」と夢見心地に当時を振り返ったブリンさん。この宝くじのお金を手にしてから、当時11歳だった娘さんを私立の学校に通わせ、さらに自身の働く時間を減らすことができるようになったという。

しかし、35歳という若さゆえに、100万ポンドはそれだけで一生安泰にしてくれるほどのお金にはならず、ブリンさんは今でも仕事は続け、そして宝くじも買い続けているのだとか。

「ある人は、(1万ポンドくらいの)大金を宝くじで何度も手に入れたと聞いています。確か7回かしら。私にも可能性がないとは言い切れないですから」と話すブリンさんは、今も淡々とこれまでと変わらない生活を続けている。

■ 宝くじの波及効果

英ガーディアンの記事によれば、1994年に英国で作られたジャック・ポットは、2012年までに3000人のミリオネア(億万長者)を創出し、85億ポンド(約1.1兆円)以上を放出してきた。各当選者に渡った金額の平均は、280万ポンド(約3.6億円)で、調査会社のオックスフォード・エコノミクスは、そのうち59%がすぐさま仕事を辞める一方で、19%は働き続け、31%がボランティアなど収入のない仕事に従事しているという。

イギリス経済にとっての朗報は、98%の人が英国内で当選金を消費していること。使途は不動産や車などを購入したり、旅行など。試算すると、各当選者の使うお金のおかげで、6人の労働者がフルタイムの雇用を保持できていることになる。

さらに当選者のGDPへの貢献は、7.5億ポンド(約970億円)にのぼり、手に入れた資金を元手に投資に回す金額は、21億2500万ポンド(約2750億円)に到達する。平均して2.7戸の不動産を所有し、約82%というほとんどの当選者が、住居を変えたという報告がある。

また、宝くじの当選を機会に、15%の人が事業を始めたり、15%がビジネスへ何らかの資金提供を行ったりしているうえ、当選者が関わったビジネスによって、3000人以上の雇用を生み出されている。

このレポートを執筆したアナリストの1人であるアンディー・ローガンさんは、「宝くじの当選者による経済効果は、非常に広範囲に、さらに深い影響を英国社会に与えている」と話す。友人や家族と言った小さなグループの中だけでなく、英国経済そのものへもインパクトを与えているのだ。さらにこの(経済的)波及効果は世代を超え、多くの場合、次の世代へも引き継がれていることが分かっているという。

今年1月、英国宝くじ史上最高額の1億1490万ポンド(149億円)が当たった北アイルランド在住のコノリー夫婦。最初にしたことは「当選したお金を、分け与えたい人たち50人を二人でリストアップした」というほどの良心的なカップルだ。これまで製造業に従事してきたコノリーさんは、早々と仕事をリタイヤする予定で、新しい車を買い、家を買い、そして夫婦でモルジブへ旅に出ることを計画中だという。

寺町幸枝

最終更新:8/8(木) 14:19
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