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「C-130ハーキュリーズ」が最高の航空機と言える理由

8/8(木) 21:11配信

エスクァイア

どこへでも飛ぶことができ、何でも運ぶことのできる輸送機「C-130 ハーキュリーズ」は単なる“何でも屋”とはわけが違います。

【 写真集 】機内に潜入! 航空機「C-130」がもつ多彩な表情と詳細

 1975年4月、アメリカ軍がサイゴンを撤退する混乱状態の最中のこと。南ベトナム空軍(VMAF)の若き兵士ティン・グエンは、タンソンニャット空軍基地のシェルター内から外をのぞいていました。

 すると、前夜から続く北ベトナム軍の迫撃砲攻撃によって、すでに100機以上の航空機が破壊されていたものの、まだ飛行可能な「C-130A(初期に製造されたタイプ。以降は「ハーキュリーズ」と明記)」が1機残っていました。そして、迫撃砲が一時中断したすきを見つけ、煙をあげている瓦礫の間を縫うようにその1機が滑走路のほうへとゆっくりと進んでいくところに出くわしたのです。

 よく見れば、その巨大輸送機の後部ランプのドアがまだ開いたまま。その中では、大勢の人々ががぎゅうぎゅう詰めになって乗っている状態も確認できました。その瞬間、グエンは「なんとしてでもあれに乗らなければ…」と思ったそうです。

 「いますぐ脱出するか、このまま残って殺されるかのか…その二者択一でした」とグエン。

 そしてグエンは、シェルターにいた他の仲間と一緒にノロノロと進んでいく「ハーキュリーズ」に向かって猛ダッシュしました。

 「パイロットがブレーキをかけるたびに、乗っている人間が前方へ押し込まれていったんだ」と、彼は2014年の「フォックス・ニュース」で語っています。

 「おかげで後方にスペースができて、私は飛行機に跳び乗り、他の仲間もそのタイミングで跳び乗ったんだ。その数分後に、後部ランプのドアが閉まって…」とのこと。

 そのとき、90名のパラシュート部隊を輸送するために設計された「ハーキュリーズ」の機内は、それをはるかに超える人数で膨れ上がっていました。パイロットを務めたVMAFの少佐は、4基のアリソンT56ターボプロップエンジンをフルスロットルにすると、離陸に向け1万フィートの滑走路を走り始めます。

 ところが滑走路の端まできても、その機はまだ浮き上がらなかったのです…。

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最終更新:8/8(木) 21:11
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