ここから本文です

拡大と縮小が同時進行した「コミコン・インターナショナル」は、コンテンツの時代の変化を映し出している

8/8(木) 12:31配信

WIRED.jp

サンディエゴで7月下旬に開催された「コミコン・インターナショナル」は、コミックのコンヴェンションからポップカルチャーの祭典へと変化してきた。こうした動きは「コンテンツの時代」の変化を映し出している。

映画スタジオがつくった“穴”とは?

人が「古きよき時代」を語るとき、それは物事が複雑化してしまったことへの嘆きでもある。「コミコン・インターナショナル」(サンディエゴ・コミコン、SDCC)の参加者がノスタルジアを感じるのは、筋金入りのファンが会場内でお気に入りのイラストレーターの作品を購入するために並んだり、子どものころ親しんだストーリーを探し回っている姿だ。

こうした参加者たちは、コミコンがコミックのコンヴェンションから、圧倒的なインフラを有するポップカルチャー巡礼に様変わりしていく様子を目の当たりにしてきた。そうした人々は、映画やテレビのファンが街に溢れることに対し、縄張り意識を少々感じることを禁じ得ないのかもしれない。

その一方で、あらゆるポップカルチャーをカヴァーする壮大なイヴェントを期待するファンにとって、ここ数年は「金ピカ時代」だった。そんなファンたちにとっては、パネル会場であるホールHの外で一晩を明かすこと自体が冒険となる。ファンたちはスターが勢揃いしたパネルディスカッションや、近辺の球場や空き地を埋め尽くすイヴェントを最大限に楽しむために、旅行の計画を立てるのである。思うままに楽しむことこそが、すべてなのだ。

つまりコミコンにおいては「2つのグループ」があり、「2つの考え方」がある。だが今年のコミコンは、どちらも満足させられない方向に進んでいるように感じられた。

「コンテンツの時代」のパラドックス

不安要素のないコミコンは、確かにコミコンとは言えないだろう。例えば、大手コミック出版社がこのイヴェントを見捨てたこと、あるいはマーベルやHBOのことなど、コミコンには常に不安要素がついてまわっていた。

しかし、大きな不足がひとつふたつあったとしても、コミコンは毎年何かしら新しいエネルギーを送り込み、その不足を補ってきた。2017年はNetflixが新ジャンルの映画の予告編を上映するため参加したし、昨年はAmazonプライムが「Homecoming」や「グッド・オーメンズ」の試写を実施している。

それでは2019年はどうだろう? 今年はマーベルがホールHにカムバックを果たした。「スノーピアサー」から「バットウーマン」まで、数多くのジャンルのテレビ番組も参加したし、ティム・ミラー監督の「ターミネーター」新作もあった。

1/2ページ

最終更新:8/8(木) 12:31
WIRED.jp

記事提供社からのご案内(外部サイト)

『WIRED Vol.34』

コンデナスト・ジャパン

2019年9月13日発売

1,200円(税込み)

『WIRED』日本版VOL.34「ナラティヴと実装」社会実装の可能性を探るべく、2020年代の実装論を総力特集

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事