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建設業界の勢力図が10年で一気に変わった背景

8/8(木) 6:10配信

東洋経済オンライン

 この10年ほどで、建設業界の勢力図が大きく変わっている。そして、その中でハウスメーカーがゼネコンを傘下に収めるという出来事が起こっている。それはなぜ起こったのか、そして傘下に収めるにあたりどのような狙いがあり、その取り組みでどのような成果を上げようとしているのか、本稿で紹介する。

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 まず、建設業界を売上高(連結ベース)でみると2018年度は以下のようになっている。

 ランキングからわかるのは現在、ハウスメーカーが大林組をはじめとする「スーパーゼネコン」をしのぐ、あるいは肩を並べる規模となっていることである。

 次に、ここ10年ほどでハウスメーカーがゼネコンを傘下に収めてきた出来事を、主要なものの中から時系列で挙げると以下のようになる。

・2007年 大和ハウス工業が小田急建設に資本参加することで合意
・2012年 大和ハウス工業がフジタを買収(2015年にフジタと大和小田急建設が統合)
・2015年 積水ハウスが鴻池組(鳳ホールディングス)に資本参加(現在は連結子会社化)
・2016年 旭化成ホームズが森組に資本参加

・2017年 住友林業が熊谷組に資本参加
・2018年 ミサワホームが大末建設に資本参加(現在は持分法適用関連会社化)

■大和ハウス工業はM&Aで規模拡大

 ランキング1位の大和ハウス工業はこの10年で売上高を約2.5倍(2008年度は1兆6909億円)にしている。これはフジタを含むゼネコン、マンションデベロッパーのコスモスイニシアを含むM&A効果が大きい。

 そして、業態そのものも従来の戸建て住宅、賃貸住宅の供給を行う住宅事業主体から、マンションや事業施設、商業施設、海外事業、そして住生活サービス事業など多角化を図り、もはや従来とは異なる意味でのスーパーゼネコンと呼ぶべき存在となっている。

 2位の積水ハウスは、戸建て住宅や賃貸住宅の建設とその関連事業を収益源としながら、医療や介護、福祉などの非住宅分野、海外での住宅供給などへ事業の裾野を広げている。大和ハウス工業ほどの派手さはないものの、着実に規模拡大に結びつけてきた。

 ハウスメーカーはゼネコンに比べ、非住宅建設というこれまで進出してこなかった分野があったこと、また住関連サービス提供という「日銭商売」(例えば賃貸住宅のサブリースによる収益)で比較的安定的に収益を確保できる体質であったことが、成長の土台としてあった。

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最終更新:8/8(木) 6:10
東洋経済オンライン

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