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韓国で高まる「反日」の実相~政治利用する文在寅政権、自制する国民

8/10(土) 8:00配信

クーリエ・ジャポン

文在寅大統領が日本政府に対する非難をエスカレートさせるなど、日韓関係が悪化の一途をたどっている。実際、ソウルにはどんな空気が流れているのか。NHK「国際報道2019」の池畑修平キャスターが現地からリポートする。

タクシー運転手との気まずい時間

8月初め、ソウルでタクシーに乗った。行き先を告げた私の韓国語の発音から日本人だと察したのであろう。運転手は、さりげなくラジオのチャンネルを変えた。

乗車したときに流れていたのは時事番組だったようで、識者とおぼしき男性が日本の輸出管理強化措置(韓国では一貫して「輸出規制」と呼ばれている)を厳しく批判しながら対応策を論じていた。新しいチャンネルからはクラシック音楽が流れてきた。

運転手の気遣いはありがたかったが、彼は何も話しかけてはこず、こちらも適当な話題が思い浮かばず、車内は気まずかった。

この出来事をソウル駐在の日本人ビジネスマンに話したら、このところ、乗客が日本人だと気づいたときのタクシーの運転手たちの対応は概ね2種類だという。

ひとつは、(お喋り好きな運転手が日本に比べてずっと多いのだが)押し黙ったまま目的地まで行く。もうひとつは、自ら輸出管理をめぐる日本との対立について切り出し、「自分たちは安倍政権のやり方に怒っているのであって、皆さんのような一般の日本人を悪く思っているわけではない」と説明する。

前者は日本の国民に対しても腹に据えかねるところがあるものの、けんか腰で議論をふっかけるのは自制しているようだ。

タクシーの運転手たちだけに限らず、韓国国民の多くは、安倍政権がとった行動に驚き、怒りを覚える一方、一般の日本人との友好的な関係を壊してはいけないと考え、その結果、今の状況にどう対応すればいいのか戸惑っているように感じる。

確かに日本製品の不買運動は広がっているのだが、主導しているのは文在寅(ムン・ジェイン)政権の強固な支持基盤である労組(とくにその過激さで知られる「民主労総」)や小規模小売業者の団体などで、「不買運動をするなんて中国人のようで恥ずかしい」と冷ややかに見る若い人も少なくない。

実際、ソウル市中区の区長は日本製品の不買運動を呼びかける旗を韓国国旗とセットで観光名所の明洞(ミョンドン)などに1000本以上掲揚しようとしたが、区のホームページに批判が殺到し、区長は旗の撤去と謝罪に追い込まれた。

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最終更新:8/10(土) 8:14
クーリエ・ジャポン

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