ここから本文です

ロンドンから珠玉の印象派コレクションが来日!

8/10(土) 11:55配信

Casa BRUTUS.com

めったに館外貸出をしないことで知られるロンドンの〈コートールド美術館〉。同館の質の高いコレクションからマネ《フォリー=ベルジェールのバー》など有名作がやってきます! 『怖い絵』の著者、中野京子さんも注目する展覧会です。

ロンドンのコートールド美術館は繊維業で財を成した20世紀初頭の実業家、サミュエル・コートールドのコレクションを基にした美術館。彼は、当時のイギリスではさほど評価されていなかった印象派・ポスト印象派の作品をイギリスで見せたいと考え、それらの作品を積極的に収集していた。現在、コートールド美術館の核となっている名作が改修工事のため特別に来日。ゴッホ、モネ、セザンヌ、モディリアーニなど約60点の絵画・彫刻がやってくる。

中でも見逃せないのがマネ最晩年の傑作《フォリー=ベルジェールのバー》だ。おおぜいで客で賑うバーのカウンターにバーメイドが手をついて立っている。カウンターの背後には大きな鏡があり、バーメイドが男性客の相手をしていることがわかる。しかしバーメイドが正面から描かれているのだから、鏡の中の2人は中央に近い位置に描かれているはずだ。

「マネは鏡の中の2人を最初、もっと中央寄りに描いていたのですが、そのあと少しずつ右へずらしていったことがわかっています。こうして全体の構図を三角形にすることで、中央のバーメイドを際立たせ、荘厳ささえ漂う画面に仕上げているのです」と作家・ドイツ文学者の中野京子さんは言う。

この頃、マネは病を患い、外出もままならなくなっていた。そのためアトリエにバーカウンターをしつらえ、この絵を描いた。こうしてリアリズムを追求する一方、鏡の中の像をずらして現実の光景を変容させているのだ。

セザンヌもマネとはまた違うやり方で現実を歪めている。

「《カード遊びをする人々》では机は左に傾き、左の男性の腿は妙に長く描かれます。セザンヌは正確さを目指してはいないのです」(中野さん)

彼は現実をそのまま写し取ることが絵画の役割であるとは考えていないのだ。絵を描くとはどういうことか、セザンヌは絵を通じて問いかける。

1/2ページ

最終更新:8/10(土) 14:51
Casa BRUTUS.com

記事提供社からのご案内(外部サイト)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事