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フィアットのお膝元にある世界屈指の自動車博物館──第7回 トリノ国立自動車博物館

8/10(土) 8:11配信

GQ JAPAN

世界の名所を、クルマ好き男子がひとりで訪ね歩く旅。ちょっとマニアな視点で名所を切り取り、いつもの旅にクルマのエッセンスを加えたい人へ向けてレポート。第7回はイタリア北部のトリノにある子どもから大人まで楽しめる自動車博物館をご紹介。

【写真を見る】トリノ国立自動車博物館はとにかくスケールがでかい!

トリノのランドスケープたる博物館

イタリアの自動車産業を語る上で外すことのできない都市がトリノだ。フィアット本社のお膝元であるトリノでは、毎年6月にはポー川沿いにあるヴァレンティーノ公園で屋外型の自動車ショー「トリノ自動車見本市」も開催され大いに賑わっている。

このヴァレンティーノ公園から南に3km弱の場所にトリノ国立自動車博物館はある。モデナ近辺の自動車博物館と比べると、まずそのスケールの大きさに驚くだろう。

その歴史も古く、1932年にまで遡ることができる。現在の博物館の前身となる建物は、建築家Amedeo Albertiniによって設計され、1960年に竣工している。当時のミラノでもランドマークとなるほどの鉄筋コンクリートの現代建築であった。

この建物を3年ほどの歳月をかけてリニューアルし、博物館が再オープンしたのは2011年である。この改修並びに拡張工事により、展示スペースは1万1000平米から1万9000平米にまで拡大。建物の外観などはイタリアの代表的建築家のチーノ・ズッキが担当し、展示プロジェクトはトリノ映画博物館などを手掛けたデザイナー、フランソワ・コンフィーノによって生まれ変わった。

正面玄関から博物館内部に入ると、天井から自然光が降り注ぐ巨大なアトリウムの大きさに圧倒される。金属のパネルで覆われたその巨大な空間の一隅には、階上に向かうエスカレーターが設置されている。このエスカレーターで最上階の3階(現地表記では「second floor」)まで登ってフロアを回遊しながら階下へと下りていき、もとの1階に戻ってくるという仕組みだ。

自動車のルーツは馬車

エスカレーターで3階にたどり着くと、そこはちょうど建物のほぼ中央に位置している。床に書かれた「start」の文字に従って進むと、照明を落とした展示室へと導かれる。この最初の展示室は、1台の蒸気機関車を展示するにはかなりゆとりのあるスペースが割かれている。スクリーンに御者と2頭の馬を投影し、あたかも馬車(展示車両は蒸気機関車だが)が走っているかのように演出されており、いうなればこの展示室は映写室のようになっているのだ。

この最初の「起源」と銘打たれた展示室は、床に扇状石畳が敷き詰められており、石畳を走る馬車のサウンドと映像とが相まって、来館者を博物館の世界観へと引き込む役割も担っている。自動車は馬車から進化・発展していったものであることがよく伝わる展示だ。

疾走していた馬がスクリーンから消え、馬車の時代が終わり自動車の時代が到来するというストーリーを踏まえ、来館者はいよいよ貴重なオリジナルコンディションのクルマに対面するエリアへと進む。

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最終更新:8/10(土) 8:11
GQ JAPAN

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